Package for QSO

移動運用に必要なものをできるだけコンパクトにまとめたら・・・ということで、やってみました。
目標としては、最小限の装備でとりあえず交信ができること。手持ちのものを寄せ集めて構成してみることにしました。

写真のポーチがその一式です。ポーチの大きさは実測で110×150×50mmになります。この中に運用に必要なものをすべて収納しました。

MLA(Magnetic Loop Antenna) を使った運用設備を作ってみました。
ランダム長アンテナ Ver

携帯用に収納すると、リグ・パドル・イヤーフォーン・エレメント固定用の小物はポーチの中に収まります。
MLAの伸展用横棒はポールになる振り出し竿の中に収まります。

MLAを立ち木などに吊るして設定するなら釣竿とクランプは必要なくなります。(MLA伸展用横棒は現地で小枝などを調達)大変コンパクトにまとめることができました。


ここで使ったMLAは80mバンドから15mバンドまでカバーしていますので、MTR4Bのすべてのバンド(3.5MHz、7MHz、10MHz、14MHz)での運用ができます。この大きさならSOTAの運用にも適していると思います。

含まれるものは

リグ:電池内蔵のMTR4B
パドル
イヤーフォーン
MLA;ワーヤーによるエレメント・可変キャパシタ MLAの記事参照
同軸ケーブル:2mのもの
エレメント固定用の小物
アンテナポール:3,6mの6本組振り出し釣竿のうち太い3本をポールに、細い3本をMLAの伸展のための横棒に使用する
クランプ:テーブルなどにポールを固定しMLAを自立させるために使用
する

9:1トランスフォーマーと組み合わせたチューナーを使うと、ランダム長アンテナの整合が容易にできることがわかりました。そこで、このアンテナシステムを組み込んだGo Bagをまとめてみました。
収納しているのは左の写真のようなものです。これだけで通常の交信が可能です。
リグは、電池を内蔵したMTR4Bで、3.5MHzから14MHzまで対応でます。ただし、アンテナは'7MHzから21MHzの対応になります。
アンテナの先端を木の枝に結び、アンテナポールを経由して引き下ろしてきた給電点にチューナーを接続、リグに直結しています。ほぼSWR1:1を実現しており、短時間の庭先での仮設で、4エリア、8エリアとの交信ができました。

パドルはミニパドルです。掌に収まってしまうほど小さいのですが、しっかり押さえさえすれば軽快に操作することができます。リグに内装されているメモリーを使い、通常のCQ呼び出しや、自局のコールサイン送出を行います。

イヤフォーンは耳に掛けるタイプを使います。野外運用では周囲への配慮から周りの音が聞こえる状態で行いことが望ましいと思います。すっかり耳を覆ってしまった方が集中して無線に取り組めるのですが、あえて、このタイプを使っています。

ポーチの中身は左のようなものです。
リグ・アンテナ・アンテナチューナー・イヤフォーン・パドル・電源
写真には入っていませんが、もちろん、ログを取るためのメモ用紙と筆記具も入れています。
このほかに、時計と無線局免許状が必要ですね。

収納すると右の写真のように、バッグの中にすべて収まり、16cmほどのバッグと76cmのポールだけ持っていけば交信することができます。

リグはCRK-10という単一周波数、2W出力のものです。エレキーが内蔵されていますのでパドルだけで運用できます。7.003MHzの水晶発振子で、ダイレクトコンバージョン受信機との組み合わせになっています。
CRK-10Aという機種は後継機なのですが、10MHzでの運用ができるようにしています。運用バンドによってリグを交換するつもりです。

EFHWアンテナでは周波数に応じてその長さが決められてしまいますので、1本のアンテナでマルチバンド運用することは困難です。しかし、エレメントの途中にトラップを付けることでマルチバンド化が可能になります。このマルチバンドのEFHWを使って、Go Bagを作りました。
アンテナとリグのインピーダンス整合を取るためにチューナーが必要です。そのチューナーからリグまで、通常は同軸ケーブルが必要ですが、装備を少なくするため、下の写真のような変換プラグを使っています。これを用いて、チューナーとリグを直結します。
今回はMTRという小さなリグを使いましたので、外部電源を含めてもコンパクトになり、バッグの中に余裕で収めることができました。

EFHWアンテナでは整合を取るためにチューナーかトランスフォーマーが必要です。アンテナの設営条件に合わせて調整できるよう、SWRをLEDの光り方で表示するチューナーを使うことにしました。
通常なら、リグとチューナーの接続に同軸ケーブルを使うのですが、今回はBNC ♀=♀ の変換プラグを使い、チューナーを直接リグに接続します。
EFHWの給電点がリグのすぐ近くまで来ることになりますが、QRPでの運用だからこそできる構成です。

アンテナはEFHWを使うことにします。40mと20mバンドですから結構長いワイヤーが必要です。園芸用の値札を利用した巻き取り板で巻き取っていたのですが、さらにコンパクトに収納するため、針金で巻き取り枠を作りました。カウンターポイズのワイヤーとともに小さくまとめています。

リグは初代MTRを使うことにしました。7MHzと14MHz帯に出ることができます。
一緒に写っているのは普段使っている18650のリチウムイオン電池ですが、リグと比べても結構嵩張る存在です。

MLA Ver
アンテナはローディングコイルを入れて短縮した垂直アンテナを使いました。コイルにタップを付けて、切り替えることで7MHzと10MHzに同調させています。カウンターポイズを使い、エレメントを調整することで、チューナーを使用しなくても整合できました。念のため、給電部にSWR表示回路を入れてあります。
ローディングコイル バーチカルANT & CRK-10 

Blog ”Go Bag”

今回は、バッグが小さかったのでアンテナとリグの2つに分けました。

Trap EFHW Ver

容量は少なくなるのですが、18650の電池を14500に変更しました。単三乾電池、2本用のケースを多少改造して使うことにします。MTR用のプラグを取り付けました。事故防止のため、プラグにはカバーをつけています。