MTR
 MTRとMTR2
ここではMountain Top'erと言われた初期の機器をMTRとします。
Mountain Topperとされたそれ以後の機器をMTR2と呼称します

追記:LNRではMTR2を新たに発売したMTR5Bと合わせてMTR3Bと称しています。

kd1jv's The Mountain Top'er

マニュアルのパーツリストが多少違っているようです。回路図をもとにリストを作りました。(pdf)

筐体が大きくなったことから、電池が内蔵できるようになり、私は14500のリチウム電池2本を入れています。
時計機能が付けられ、そのバックアップ電池がついているのですが、消費電流が結構大きく、数か月で消耗してしまいます。そのため、基板取り付けのボタン電池の代わりに単四電池2本を入れています。

MTRの電源

LNR recisionから発売されているMTR4Bです。3.5MHz・7MHz・10MHz・14MHzの4バンドの構成になっています。
回路的にはこれまで発表されてきた機種とほとんど同じですが、使いやすさを重視したようで、筐体が少し大きくなっています。そして、ケースがアルミの削り出しになっており、頑丈さが増しました。LCDも見やすい大きさになり、運用がやり易くなっています。

左の写真の下側中央にある黒いものは、私が取り付けたものです。ケースがアルミになったので、磁石が付かなくなりました。自作のパドルの脚を磁石にしていたので、取り付けるところななくなってしまい、鉄のワッシャーをここに置いたのです。

MTRについてのBlog

MTR3Bに合わせたTrapEFHWアンテナ

MTRには音量調整がありません。AGCによりコントロールしていますが、ヘッドフォーンで運用していると耳が痛くなるような大きな音に困らされることがありました。そこで、AGCの改造をしました。ATフォーラムからKX0Rさんの情報です。増幅のLM386にダイオード2本と1ufのコンデンサを付加します。
これを取り付けることで、夜間の7MHzでもヘッドフォーン運用ができるようになりました。

MTRの定格電圧は9Vとなっています。12V程度までは大丈夫とのことですが、QRPの9V運用が楽しそうです。
006Pの乾電池でもそこそこ楽しめますが、やはりもう少し容量が欲しいところです。そこで、単3電池6本の電源を作ることにしました。
手頃なケースが見つからず、4本用と2本用のケースを合体させて使うことにしました。4本用のケースにはスイッチもついています。電池交換を考えて、背中合わせで両面テープを使い貼り付けました。

新スプリアス規制への対応

MTR5B用の15m、18m、20m用TrapEFHWアンテナ

左の図をクリックすると大きくなります。

3バンドになり、いくつかの改良が施されたMTRが新たに発表されました。KD1JVから頒布された最初のロットはすぐにsoldoutになってしまいましたが、LNRから完成品として販売されることになりました。
ひとまわり大きくなっているのですが22mmと薄くなり、コンパクトさは増したように感じます。電源やアンテナ、フォーンやキーの入出力関係が一つの面にまとめられすっきりしたデザインになっています。電源のスイッチもつきました。7セグLEDも一回り大きくなりました。

9V仕様ですが3Wほどの出力が得られます。このリグにマッチした電源を探していたのですが、18650というリチウムイオン電池を2本直列にして使用すると都合がよいことに気がつきました。公称電圧は1.7V×2ですが2W程度の出力で結構、長時間の運用が可能です。

フォーラムで話題になっており、是非欲しいと思っていたとても小さな2バンドトランシーバ^のキットが手に入りました。
KD1JV SteveWeberさんの開発されたものですが、直接本人から購入することになるのでなかなか手に入りませんでした。前回、100台ほどが頒布されたとのことで、2回目の頒布を待っていました。フォーラムで頒布がアナウンスされたのですかさずメールを送り購入を申し込みました。
その日のうちに受付は終わってしまいましたが、どうやら購入できることになり、そのキットが届きました。

MTR Operation

遭遇したトラブル

とても部品が小さいです。上の写真はDDSのチップですが縦5mm横7mm厚さ1mmほどで20ピンの部品です。私は思いこみで記名のある方が表と思っていました。よく確認もせず取り付けてしまったのです。ピンは取り付け面の方に曲げられていますが、0.5ッm程です。
最終組み立てを終え、動作確認をしたとき正常な動作しませんでした。半田忘れはないか、接続不良はないかなどいろいろ調べましたが、原因がわかりません。
マニュアルに掲載されている各デバイスの電圧チャートと比較する調査を行いました。その結果がこちらでした。(pdf)
DDSチップのあたりがおかしいようです。意を決して新たなチップを入手し取り替えることにしました。そして、その段階で気づいたのは、このチップには両面に記名があったと言うことです。上面には型番が、下面には製造者名が書かれていたのです。不十分な確認のためにこのチップを裏表逆さまに取り付けていたのでした。
多量のハンダをチップの周りに流し込み、その蓄熱を使ってチップを取り外しました。ランドが剥がれるのではないかとヒヤヒヤの作業でした。新たなチップを取り付け、この部分の動作は正常になりました。
もう一つ、サイドトーンの音量が低いようでした。回路図で見るとサイドトーンはU9を経てAMPに入っているようです。電圧チャートでもこの部分に異常があるようです。再度ハンダをし直すことでこのトラブルも解消しました。

2本用のケースを取り付けた半分にスペースがあります。どうせですので、ここにミニパドルを取り付けることにしました。
パドルの機構はMini Paddle2と同じものです。
電池ケースの内側から皿ビスで取り付けてあります。緩み防止のため両面テープを併用しました。
新スプリアス規制への対応についての現状です。
送信機が規制に適合していないと2022年11月30日以降は使うことが出来なくなってしまいます。このMTRはいろいろ思い入れがあって、これからも使っていきたいリグです。基準に適合していることを届けなくてはならないのですが、その手続きはしようとしたとき、国内のメーカーの機器についてはすでに測定が行われていて、適合する機種がJARDのサイトで公開されています。MTRはこのリストの中には入っていません。海外から購入したものは独自に対応しなければならないようです。


そこで、JARDの測定室の開放(一般利用サービス)を利用させてもらい、リグの状況を調べてみることにしました。
開放とは言っても、素人が勝手に測定器をいじれるはずもなく、2時間枠で予約をして、その時間内で所定の項目について測定してもらうものです。無線機の周波数ごとに測定が行われ、係の方の指示で無線機を操作し、電波が出せる状態にするので、1項目辺り15分程度かかるようです。

初代MTRとMTR3B、MTR4B、MTR5Bを持ち込んで測定してもらいました。結果は、自分で組み立てた初代MTRは帯域外領域におけるスプリアス発射の強度は適合したものの、スプリアス領域における不要発射の強度では不適合になってしまいました。測定器なしの組み上げたものですので、調整が十分でなかったのかも知れません。


MTR3B,4B,5Bについては適合していたのですが、5Bの21MHzだけはスプリアス領域における不要発射の強度が不適合でした。
適合した機種については、JARDの確認保証を受ければ、2022年11月30日以降も使うことが出来るようになるとのことでした。

不適合の機器については不要発射を抑えるための対策をとることを考えなくてはなりません。フィルターは外付けでもよいとのことでした。

QRPが好きで、いろいろ組み立てたものを登録していますが、今後も使い続けるためにはやらなければならないことがたくさんあるようです。数が多いので、費用も掛かることを考えると、あきられなくてはならないものが相当出そうです。しかし、MTRについては目途がつきましたので、すこし先が明るくなりました。

MTRの三代目がLNRから販売されました。今回はkd1jvからの頒布ではなく、ショップを通じての頒布になったようです。
左の写真のようにケースの色が落ち着いたグレーに変わり、40m、30m、20m、17m、15mの5バンド構成になりました。表示は4行のLCDになりましたが、見づらいほどの小ささです。また、運用の周波数が記憶され、次に電源を入れるとその周波数から運用できます。また、LCD表示に伴ってコマンドの変更がなされMPUのプログラムも改良されています。
初代MTR,、MTR3B、そしてMTR5Bと、それぞれ個性がありますので運用場面での選択が可能になりました。


MTRにはダイヤルはありません。すべての操作は4つの押しボタンで行います。初めは戸惑うのですが、しっかり工夫されていて、さまざまな操作をすることができます。
周波数設定はもちろんのこと、RITの設定もできます。キーヤーのスピードを変更したり、メッセージメモリーも3チャンネル備えています。パドルから直接周波数を指定することもできます。
電源電圧を表させる機能や、デジタルモードでの運用機能も組み込まれています。
操作部は4つの押しボタンだけですので、それぞれのボタンを長く押したり、他のボタンと連携させたりして、多機能を実現しています。

その機能一覧はこちらです。(pdf)

MTRはケースが付属しているのてたいへんきれいな仕上がりになりました。
日常の使いやすさを考慮してアンテナ端子はRCAからBCNに変更し、DCジャックも2.1mmのものに交換しています。
006P乾電池と比較してもわかるように、たいへんコンパクトなトランシーバです。
AT_Sprint forumでも話題になっていますが、次回の頒布がいつになるのかアナウンスされていません。
今後どのように発展していくのか予測はできませんが、KD1JV Steven Weberのこの素敵なキットによって、たくさんの方が旅行先や山の上などから波を出してくれることを期待したいと思います。

組み立てであると便利なもの


ほとんどが表面実装部品でとても小さな部品です。・ルーペは必需品です。それもできるだけ倍率の大きなものがよいと思います。
・ピンセットは先の細いもの。先の曲がったものも使う場所によって便利でした。
・フラックス除去液 専用のものが市販されていますが、私は100均で手に入れたシール剥がし剤で代用しました。
・歯ブラシや綿棒を使ってフラックスの清掃をします。
・フラックス。マニュアルには「液状のフラックスを使わないように」との注意書きがあります。しかし、修理などで何度も半田付けを繰り返す場合には必要です。
・SMD Tester ピンセットのようなプローブでチップ部品を挟むと抵抗値や容量値を表示してくれます。特にコンデンサには表示がありませんので、これがないと区別がつかなくなってしまいます。
Model:MS8910
・Semiconductor Component Analyser トランジスタなどの特性を表示してくれます。終段で使われているBS170の特性を合わせるときに使いました。
Model:atlas DCA56 

いつもなら製作マニュアルは斜め読みで製作に入ってしまうのですが、今回はじっくりと取り組むことが必要なようです。
そこで、マニュアルを訳してみることにしました。

MTR4B

取り外したDDSチップ
AD9834BRUZ

2017.02追記
リチウムイオン電池が入手し易くなりました。
14500の電池2本でも結構運用が楽しめます。

今回は塗装されてレタリングも施されたケースもついています。
色も落ち着いた紺がかった青で素敵です。
早速マニュアルを手に入れ製作の準備に入りました。

小さな基板に収めるために部品はすべて表面実装のSMDです。作業にはルーペがなくては手が出ません。

AGC Mod by KX0R

コンパクトなMTRと接続すると電池の方が大きくなってしまいます。でも、この電池とイヤーフォーン、そしてアンテナを持参すれば移動運用が可能ですので忘れ物防止にはなるでしょう。
電池ケースの底には滑り止めシートを貼り付けてあります。電池の重さがありますのでパドルも安定して操作することができます。

MTR manual 日本語訳pdf

MTR2

MTR3B

MTR5B