電子機器を製作している時、部品の定数やピン接、極性など様々な情報が必要になります。データーシートから読み取ればよいのですが、一つ一つ調べるのは面倒です。その場で測定して求める情報が得られれば便利です。
この機器は、3つの端子に部品を差し込むだけで、さまざまな情報が得られます。このような機能を持つ製品が市販されていますが、Arduinoとわずかな部品だけで作ることができます。
元になった製作は Karl-Heinz KubbelerさんのAVR Transistertesterで、ATMega168や328などを使ったプログラムだったようです。これをArduinoに移植したものがEasy_TechさんのYouTube動画で紹介され、Easy_Techサイトにも情報が掲載されています。
機能としては3本の入力端子に部品を接続し、スタートボタン押すことで
○TRやMOSFET,JFET,TRIACなどの判別
○ピン接続の判別
○ダイオードなどの極性の判別
○hFTやB-E間電圧の測定
○キャパシターや抵抗の数値測定
など、さまざまなチェックをすることができ,結果を16文字2行のLCDに表示します。
ケースに入れました。100mm×60mm×40mmの大きさです。
入力ポートは6ピン列のピンコネクタを使っています。
配線の仕方によるのだと思いますが、キャパシタの測定値は不安定です。抵抗値はほぼ規定値を示しています。
測定誤差については確認していませんが、この装置の目的は部品のチェックということにして、あまり正確の数値を求めるのは無理のように思います。
使用部品
Arduino NANO
1602LCDとI2Cアダプター
抵抗 680Ω 3
470kΩ 3
コンデンサ 104 1
押しボタン 1
006P電池
I2C アドレス
オリジナルのスケッチではI2Cのアドレスは 0x27 と書かれています。しかし、使用するI2Cアダプターによってアドレスは異なるようです。
使用するI2Cアダプターのアドレスを調べる方法はネットで検索するといろいろ出てきます。私は、そのスケッチをAuduinoに書き込み、シリアルモニタで確認しました。私の場合は 0x3F でしたので、スケッチの該当部分を書き換えました。
トラブルシュート
組み上げて電源を入れると、オープニング画面が出て起動したことはわかるのですが、ボタンを押しても測定が始まらない現象がありました。
いろいろ弄っているうちに、押しボタンスイッチのA3端子(22pin)に接続している方に指が触れると動き出すことがわかりました。一度動き出してしまえばボタンを押すごとに測定が始まります。なぜそうなるのかは調べていませんが、動作を始める何らなのトリガーが必要なようです。また、この現象が起きず、電源スイッチを入れるだけで動作をする場合もあります。原因を解明された方がいらしたら対応策などご教示ください。
Simple Arduino Ver
Arduino nano でうまく動きましたので、Simple Arudino でも組んでみました。
CW DEcorderやCW Drillで使った、ATmega328Pに最小限の回路を付けた基板です。小さな基板ですが、これでもUNOとして動作します。
電源回路を持っていませんので、外部から5Vを供給します。これでもしっかり動作しました。ケースに組み込む場合にはこちらを利用するのも一つの選択肢だと思います。
スケッチ
Easy_Techサイトに掲載されています。コピペでIDEに張り付けたのですが、うまくいきませんでした。
よくよくサイトを探すと、スケッチが掲載されている枠の下に、スケッチをダウンロードできるサイトのURLが記載されていました。
そのページからダウンロードすることができます。
私なりに回路をアレンジしました。電源関係を簡略化しています。