このシリーズの最初でも扱っているのですが、片手でパドルを支え、そのまま操作できる形態を模索しています。
前回は左右から親指と人差し指で挟むようにして操作しました。しかし、手のひらを見ていると、親指と人差し指は向かい合っているのではないことに気づきます。ものを握った場合、親指は上から押さえるような動きをします。この動きをパドルにできないかと考えました。
下の写真のようにパドル本体を掌で包むように持ち、親指は上から、人差し指は横からパッドに触れる構造です。掌の部分にGNDのパッドを置きます。

このパドルの構造は、掌に握ったとき親指が動きやすいように斜めに整形した面、人差し指と掌が向かい合う面をもつ台形状になります。そこに3つのパッドを配置し、内部に回路を埋め込みました。

Touch Paddle 3
電動ドリルを使って穴あけをしました。
TouchPaddleについてはこれまでも紹介してきました。
リグから電源をもらい、プラグを差し込むだけでパドルとして機能するので結構便利です。
特に、移動運用などではかさばらず、可動部分もないので持ち運びに重宝しています。
メカ式のパドルのように、入力した時のしっかりした手応えがないので不安なこともありますが、サイドトーンで符号を確認していることがほとんどですから、思い通りに送信できれば特に困ったことにはなりません。
このパドルを片手で操作できないだろうかと考えました。

これまでは片手でパドルを保持し、もう一方の手でDitとDahを操作していました。親指と人差し指で操作できるのですから、他の指でパドルを保持すればよいわけです。ピストルのように握って操作するパドルです。
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机上などに置き、親指と薬指でパドルを固定します。操作は人差し指と中指で行います。
ペガサスと名付けられたパドルと同じような操作方法になります。親指と人差し指ではないので最初は戸惑いますが、慣れると通常のパドルと同じようにモールス符号を送出することができるでしょう。
キューブ型なので持ち運びには便利です。

Part4で作った、手持ちスタイルのパドルをコンパクトにしてみました。
パッドに滑り鋲を使い、回路を埋め込んだ蓋にも、同じ滑り鋲を使いました。
木片の厚さを薄めにしたため、滑り鋲が木片より若干はみ出しています。この部分を左手で支えますので、ちょうどよくGNDを取ることができます。

このパドルを左手で支え、右手の親指と人差し指で挟むようにして操作すると、違和感なく符号を送り出すことができました。コンパクトかつ、操作するのに不自由のない大きさにすることができました。

木片を薄くしたので、これまで使っていたドリルでは大きすぎて使えませんでした。6mmの穴を並べて開け、整形をして回路を埋め込みました。

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親指と人差し指での操作ですので、普通のパドルと同じような感覚で操作することができます。掌で包み込むことで安定性も確保できます。

しかし、違和感があります。それが何なのかいろいろ考えていたのですが、それは指を動かす操作と、手首を動かす操作の違いでした。
普通のパドルの場合、指は一定程度の間隔で開いたままの状態で指自体は動かしていません。手首でその開いた2本の指を左右に動かすことでパドルを操作しています。指を曲げて操作しているのではなかったのです。
片手でパドルを固定し、同じ手で操作する場合には手首が使えません。どうしても指の動作になります。これが違和感の原因だったようです。

何回も練習してみましたが、慣れるまで多少時間が掛かるようです。このパドルは、状況に応じて使うパドルという位置づけでしょうか。

木工細工のタッチパドル

機構的には、上記に紹介したものと同じです。
木材の特性を活かして、遊んでみました。

パッドが4つあります。その一つが回路部分を収納する穴の蓋になっています。パッドはDitとDah用に一つずつ。GND用が2つです。
このパドルは左手で支えて、右手で操作することを想定しています。左手で支える時上下を挟む場合と横を挟む場合がありますので、そこにGNDのパッドを付けました。

木材は容易に削ったり切ったり、表面を平らにしたり、また、穴を開けたり、釘を打ったり比較的自由にできる素材です。自分の手にしっくりと馴染む形態を探していくのも楽しいものです。

そこでタブレットの携帯容器の中に組み込んでみました。
この大きさでも、中はガラガラで、どこに駆動回路が入っているのかわからないほどです。
使い勝手か良さそうな、もっとコンパクトなケースがあればいろいろ工夫ができそうです。
タッチ接点の部分はいろいろ探した結果、「すべり鋲」という飾り金具をホームセンターで見つけました。鋲の部分を適当な長さに切り取ると、ちょうどよいタッチパッドになります。ケースへの貼り付けはホットメルトを活用しました。
コンパクトなパドルですので、ポケットに入れても邪魔にならないほどです。

操作は右の写真のように中指で軽くGNDの接点を抱え込み、薬指で木片を押すようにしてパドルを支える。この状態だと親指と人差し指は、結構自由に左右に振ることができる。これまであまり見かけなかった構造であるので、使ってみてのご感想を聞かせていただければ幸いです。

ICの差し込むための脚は切り取ってしまいます。絶縁チューブなどを使って部品のリード線同士が接触しないよう配置します。できるだけ隙間なく配置し、空隙に収まるようコンパクトに作り込みます。

木肌をきれいにするためには、よくサンドペーパーをかけてからオリーブオイルを塗りました。

自宅のシャックなど、落ち着いた状況の中で机上に置いて使用することを想定しています。
このパドルに手を置いた時、掌があたる場所にGNDパッドを設置します。この状態で操作することで、タッチパドルとして機能します。
ヘッドフォーンを使えば、夜遅くても家族への気兼ねもなくゆったりと、何の音もさせず交信を楽しめると思います。

木片を加工していることのメリットは、穴あけなども工作が容易にできることです。パッチパドルの駆動回路を左の写真のように、穴を開けて組み込みました。ここはそこになるので、滑り止めのシートを貼り付けて蓋の代わりとします。

駆動回路部品表

Cube という名前にしようと考えていたが、この形は立方体ではない。直方体はrectanglar parallelepipedと言うそうだ。長すぎるのでCuboid.
秋葉原と御徒町の間のガード下に作られた「2K540」という商業施設を見て回っている時に、北海道のクラフトショップが店を出していて、そこでマホガニーという綺麗な肌の木片を手に入れました。この木片を加工して、作ることにします。
回路はこれまでのものと同じです。CMOSのロジックICをバッファーampとして使い、人の皮膚を通して流れる微弱な電流でエレクトロキーヤーを制御するものです。
このロジックICを持ち手の中に組み込み、その蓋をGNDとして手のひらに触れるようにします。そして、人差し指と親指の触れるところにビスで電極を作り、ここに触れることでDitとDahの操作を行います。
チップ部品のロジックICもあるのですが、小さすぎて工作が難しく、通常のDIPタイプのICを使います。この表側と裏側に7つの部品を取り付け、回路を組みます。どれも小さな部品を選べば、コンパクトにできるでしょう。
持ち手の部分には横12mm、縦30mm、深さ12mmの穴を掘ってあります。この中に回路を組んだICを収納し、Dit Dah電極からの配線は木片の中に開けたトンネルを通して配線しています。
Part4 その2 コンパクトパドル
片手で扱うタッチパドル
ミニミニ タッチパドル

SMDタイプのCMOSロジックICを使って作ってみました。5円硬貨と比べてその大きさがおわかりいただけると思います。
これなら結構小さなケースに収めることができますが、使い勝手との兼ね合いであまり小さくすることは得策ではありません。

番外編
コンパクトな机上仕様

机上仕様ではあるが、大変コンパクトになるよう工夫した。このタイプではGNDとの接触をどのようにとるかが課題になる。親指と人差し指を主に手首を使って左右に振るような動きをさせたい。そのためには手は机上に置いておくのが理想である。机と接した部分を支点として指が動かせるからである。そのような機構にすると大きなスペースが必要になる。
そこで、支点になる部分を中指のところに移した構造とした。中指で軽くGNDの接点になる金属バーを抱え込み、ここを支点として親指と人差し指を左右に振り、DahとDitの接点に触れるようにしたのだ。
左の写真のような構造で、3本の金属スペーサーを付加した木ねじを立てている。右の1本だけ立っているのがGND接点である。

Part5
手持ち仕様

タッチパドルのバリエーションをいろいろ考えてきましたが、操作するときの違和感がどうしても拭えませんでした。このことについての考察はブログにまとめましたので、読んででいただけると幸いです。

そこで、元に戻って、手持ちのパドルを作りました。構造はこれまでのものと同じです。
両手を使わなくてはならないので、運用には少し不便ですが、モールス符号を送るという点に関しては、違和感もなく大変スムーズです。
ケースバイケースで、これらのパドルを使い分ければいいのかなと考えております。

Part4
 部品 数量  備考 
 CMOS 4001 or 4011など  1  ロジックIC
 R  5MΩ 1/4W  2  
 C  1μF 105  1  
 C  100pF 101  2  
 D  小信号用ダイオード  2 1S1588など
Part2
Cuboid type
試作第1号機 駆動回路を見えるようにしてあります。
Part3
机上仕様

図をクリックすると大きくなります。

試作機を試す中で、いろいろ改善点が出てきました。それらを含めて改めて設計し直したのが左の図です。
これから作られる方は、左の図を参考にしてください。


この製作では木工のおもしろさも味わうことができました。ここでは角棒を使っていますが、自分の掌に馴染むように削り出すのもよいと思います。パドルを握ってモールス符号を送り出す手軽さをお楽しみください。

駆動回路はこれまで公開してきたものと同じです。
CMOSのNORまたはNANDのロジックICを使いますが、木片の中に組み込むために、コンパクトに作らなくてはなりません。
また、手ハンダで作るために、SMD・チップ部品などは避けた方が作業が容易になります。
右の図のように組み込みました。これで12mmφ、30mm長ほどの空隙に納めることができました。

Touch Paddle駆動回路