Micro Loop Antenna (Magnetic Loop Antenna)

 小さなループアンテナでHFの運用ができると聞き、さっそく試してみました。市販されているものもたくさんあるようですが、構造は意外と簡単そうです。
 調べてみると、エレメントになるループ部はバリコンを介して繋がっており、バリコンと対角線になる位置に給電部があるようです。給電にもいろいろな方法があるようですが、一番簡単なコアを抱かせる方法を試みました。
 左の写真は庭木につり下げたループアンテナですが、直径約1m、下にバリコンがぶる下がっています。エレメントに使ったのは5D2Vの同軸ケーブル3mで編祖のみを使っています。給電部をプラスチックハンガーにつり下げ、ループの真ん中部分にプラスチックの突っ張り棒を入れています。下側に赤く見えているのがバリコンです。不格好な輪が見えますでしょうか。

 ワイヤーMLAの実験を通して、ワイヤーのみでは形状を安定させることに難があることが分かりました。市販品の多くが金属パイプや太い同軸ケーブルを使っているのはそのためもあるのだと思われます。
 形状を安定させるための方策をいろいろ考えていましたが、配線カバーを使う方法を思いつきました。ワイヤーを配線カバーで被ってしまえば、形状が安定します。そこで、1mのカバーを3本購入し、輪を作ってみました。身と蓋をずらして組み上げたのですが、剛性が強すぎて上手くはまってくれませんでした。そこで、蓋の部分を一部分だけ、接合部に使うようにしました。1mの蓋を3つに切断し。身の接合部に被せました。組み上げてみると正円にはなりませんが、どうにか輪ができました。
 この配線カバーの中にワイヤーMLAを通します。給電部は身の接合部で挟み込み、キャパシターは身の部分に固定しました。キャパシターは手持ちのトリマーを使いましたが、70pFのものでしたので、68pFのコンデンサを抱き合わせて使いました。
 元々が配線カバーですので、分解も楽です。1mの身の部分3本と、30cmほども蓋3本、それにワイヤーMLAに分解できます。これなら、移動運用にも持ち運びやすいと思います。
 組み立てて、アナライザーで測定してみましたが、7MhzでSWR1,1に落とし込むことができました。


 実際の運用ではこのMLAをポールに結束帯を使って上下を固定し、より円に近い形にしてみたいと思います。

同軸ケーブルの編祖を使ってMLAができましたので、これをワイヤーでやったら、どうだろうかと実験してみました。3mのワイヤーを使い、上記の製作と同じトロイドコアで給電しました。
バリコン部分にはQRPでの運用を前提に、手持ちのトリマーを使いました。トリマーは金属板をビスで締め付けることで静電容量を変化させるタイプで、測定してみると50pF~150pFほど変化させることができるものです。
ハンガーに取り付けてMLAとしての特性を調べてみると、7MHzで同調点を見いだすことができました。帯域幅は狭いものの、結構よい値を示しています。


リグに繋いで信号を聞いてみるとEFHWと比較するとSが2~3低いようです。それでも、状況によっては実用になるアンテナだと思います。

 配線カバーを使わなくてもループを形作れて、同軸のように重くない材料を探していて、みつけたのが左の写真のペアケーブルです。1.25mmφの単線銅線が平行になっているもので、軽いのですが結構、剛性を持っています。
 このケーブルで大きいループ(250cm長)と小さいループ(62cm長)を作りました。キャパシタは最大90pFのポリバリコンです。
 測定してみると、10MHz、14MHz、18MHzで同調が取れました。SWRも結構低い値でした。
 グラスファイバーのポールに上部の給電コネクタ部と、下部のキャパシタ部を縛り付けることで、大きなループを形作ることができました。多少ふらつく貧弱な作りですが、通常の運用には支障なさそうです。
 このMLAのメリットはそのコンパクトさです。写真のように20cm強に丸めて搬送できます。このほかの同軸ケーブルとファイバーポールはいつも車に積んでありますので、荷物もあまり増えません。

 秋雨前線が停滞し、なかなかよい天気が続かないので、庭先移動でこのMLAを使ってみました。10MHzでCQを繰り返したのですが、全くバンドが開けず、断念。
 キャパシタに100pFを並列に抱かせるよう改造をし、7MHzに同調するようにしました。SWRもほぼ1に近く落ちています。ポリバリコンを回すと、受信ノイズが急激に大きくなるところがあり、そこがSWRが一番低いところでした。
 左の写真のように、このワイヤーMLAの上下をグラスファイバーポールに固定してあります。多少、歪んでしまい、丸いループにはなっていませんが、測定値は良好です。この状態で 20分ほどの運用をしました。
 CQを出すと3エリアの局から呼ばれ、その後、移動局に声をかけると3エリアと9エリアの局と599-599の交信をすることができました。
 
 庭先ではなく、もっと開けた場所ならもっと使えそうです。
 トロイドを使った給電は手軽にできるメリットがあります。しかし、大きなループがキャパシタによって広いバンド対応ができるのに対して、トロイドはリンクの巻き数による対応幅が狭いという弱点があることがわかりました。いくつものバンドでこのMLAを使おうとする場合、小さなループによる給電の方が効率がよいようです。

 そこで、小ループ給電のMLAを作ってみました。
右の写真は3mのワイヤーを並列にして、配線カバーに沿わして、大きなループにしています。小ループは75cmの5D2Vの同軸ケーブルで作り、BNCコネクタに直付けしています。キャパシタは最大260pFのポリバリコンを使いました。

 この構成で、7MHzから28MHzまで同調をとることができました。庭先移動で7MHzで3エリアの局と、10MHzで6エリアの局と交信することができました。結構使えるなという感触です。
 

 このMLAは直径が1mほどになり、分解した状態で、ループを形作るための配線カバーは1m長のものが4本になり結構嵩張るのが難点です。 
配線カバーの中に2重にしたワイヤーを通す。
手持ちの関係からRCAコネクタを使い、変換プラグを接続。
トリマーに100pFのコンデンサを抱かせた。
ワイヤーMLAの実験をしていて気づいたことですが、このアンテナは形状が再現できればほぼその性能も変わらないということです。
つまり、リングを同じような形に再現すれば、調整をいじらなくても、当初調整した性能になるということです。
そこで、携帯しやすく、形状も再現しやすいMLAを作ってみました。
2mのワイヤーを輪にするのですが、配線カバーを40cmの長さにして、その内10cmを結合部として使用します。給電部とキャパシター部は別の結合部とし、合計8本に分割できるようにしました。
 とてもコンパクトなMLAになりました。このところハイバンドは伝播がよくありません。コンデションがよくなるのを待って実際の運用をしてみたいと思います。
アンテナアナライザーで特性を測定
トリマーでの調整はとてもクリチカル
手持ちのトリマーを使用
実験のため、わに口クリップを取り付けてある
FT37-43コアによる給電 7T
小ループ給電

実戦で使えるか、実用性を確認する運用を行いました。
念のため、アンテナアナライザーを持っていきましたが、MLAを設置して測定してみると、予め家で調整してきた状態を再現していました。移動先での調整をせず、2つのバンドで運用することが出来ました。

今回はMTR5Bをリチウム電池2本で駆動しましたので、出力は2W弱でした。それでも18MHzをワッチしているとTK034 SOTA移動局が聞こえました。砥山からの信号です。呼びかけると応答があり交信が成立しました。SOTAの局どんなアンテナを使っているのか気になりました。
その後、10MHzに移り、4エリアと、8エリアの移動局と交信することが出来ました。
コンパクトなアンテナですが、そこそこ使うことが出来そうです。

Wire MLA その2
 車での移動ではなく、公共輸送機関を使って旅行する機会がありました。宿は普通の和室です。結構高層なので電波は飛びそうです。しかし、開口面は窓しかなく、窓の外にアンテナを張るのは憚れます。
 そんな状況で「とりあえず」電波を出すためのアンテナです。ワイヤーMLAを洗濯ばさみで障子に張り付け、ひし形の構成にしました。給電部は同軸ケーブルの重さも掛かるので、ハンガー等の固定用に使われる二股の洗濯ばさみです。両袖は普通の洗濯ばさみです。
 丸いループではないのですが、各バンドとも同調点が取れ、動作することを確認しました。
 旅行のちょっとした隙間に運用するには手軽なアンテナです。

 エレメントになるループのちょうど真ん中になる位置にこのコアが来るよう固定します。実験途中でしたのでビニルテープで仮固定してあります。

 私のMLAはワイヤーと配線カバーを活用しているので、分解・組み立てが容易です。また、各部品を使いまわしすることができます。
 そこで、これまでの部品を活用して3.5MHz用のMLAを作ってみました。この周波数になると結構 大きなループが必要になります。そこで、効率は低下することには目を瞑って、ワイヤーを2重にする構造にしました。1mの配線カバーを2本使い、ワイヤーは4m+αの長さのループにします。給電点にはFT37-43トロイドコアに6ターンのコイルを巻き付け、コアの穴にワイヤーを通しています。キャパシターはトリマーに100pFのコンデンサを抱かせました。
 測定してみると、3.5MHz帯で同調点を見出すことができました。

 アナライザーで測定すると、SWRはほぼ1に近くなっていました。放射効率についてはこれから使ってみないと分かりませんが、データーから見ると送信も可能のようです。

 配線カバーを使ったワイヤーMLAを使ってみました。庭先に持ち出しての使用です。1mの配線カバー3本を繋いだ方が7MHz用、2本繋いだ小さい輪の方が10MHz、14MHz、18MHz用です。
 正円ではありませんが、どのバンドもほぼSWRが1に近くなりました。ワイヤーだけよりも形状が安定しているので、信号も安定しているようです。
 他のアンテナに比べての効率については分かりませんが、交信ができることは確認しました。


 組み立てや分解をスムースに行えるよう、ワイヤーの長さを数センチ長くしておくとよいようです。ワイヤーの長さ=配線カバーの長さ合計+αと余裕を持たせると、輪の組み上げが楽です。αの長さは、配線カバーの身と蓋を被せる部分で長さの調整ができるので、そこで吸収することができ、きっちりと配線カバーの中に納めることができます。
 給電部は小さなループを使うことが多いようですが、私は外径18mm、内径10mm、厚さ10mmの手持ちのコアを使いました。型番など詳細は不明です。
 このコアにリンクとなるエナメル線を6回巻きました。私の場合QRPでの運用をしていますので、こんな細い線で対応しています。入力によってはコアをもっと大きなものにして巻線を太くする必要があるでしょう。これをループとなる5D2Vの同軸ケーブル3mに通します。
 リンクの巻き線はコネクタに直接接続し、給電ケーブルと接続します。

旅行用MLA

今回はトグルスイッチを使い、2バンド仕様としました。これまでの製作と同様、トリマーと固定キャパシタを使い、バンドに合わせて調整しておきます。
リングの形状を同じように出来れば、移動先で調整をしなくてもほぼ所定の性能を再現することが出来ます。


トリマーの調整の仕方で、20mバンドと17mバンドに調整することができました。

長さ40cm、8本でもコンパクトになり、携帯しやすくなります。

これまでの実験から、ワイヤーMLAでも使えることがわかりました。また、QRPでの使用ならキャパシターにトリマーを使っても大丈夫でした。
そこで、バンドの切り替えが容易なMLAを実験してみました。MLAは調整がクリチカルですが、一度調整してしまえばワイヤーアンテナのように設置場所によって特性が大きく変わることは少ないようです。コンパクトなアンテナですのでいつも同じような状態で設置できるからだと思います。
キャパシタはバンド毎にトリマーを使うことにし、バンドの切り替えにはショートピンを使うことにしました。ショートピンの位置を変えることで、予め調整したトリマーを接続する仕組みです。

周波数帯は、やっと開けてきたハイバンド帯の21MHz、18MHz、そして14MHz、10MHzとします。
給電部はワイヤーエレメントをFT37-43のトロイドコアの中を通して、トロイドコアに6回のリンク線を巻いています。
エレメントワイヤーは2mのものを使い、配線カバー2本で輪にしています。
キャパシターは、調整した時点の実測で10MHz:88pF、14MHz:46pF、18MHz:27pF、21MHz:20pFでした。10MHzのみトリマーにコンデンサを抱かせています。 

 ワイヤーを使ったMLAですが、もっと小さくしたらと言うことで実験をしてみました。1mの配線カバーを1本使って輪を作りました。ワイヤーは2mのものを2回巻きにしてあります。
 左の写真で真ん中にあるのがイヤフォーンですのでその大きさがおわかりになると思います。直径30cmほどの輪になります。2回巻きですので給電部とキャパシター部が同じ位置になります。相互に接近することで影響が出るかと心配しましたが大丈夫のようでした。

トロイドコアによる給電
”注意” MLAはキャパシター部に高電圧が発生するアンテナです。電波を出して調整するとき、キャパシターに触れる時には電波を中断するよう注意してください。QRPでも感電の恐れがあります。

運用ブログ

7MHz用ワイヤーMLA 1mの配線カバーを3本
ワイヤー3m
分解したMLA.。とてもコンパクトに収納できる。

3mのワイヤーで作ったものは7MHzでの同調点しか確認できませんでしたので、2mで実験しました。
給電部はFT37-43のトロイドコアを使い、7回巻きにしてあります。キャパシターは同じトリマーです。ハンガーから外してしまうと、上の写真のようにとてもコンパクトになります。これですと移動運用にも使いやすいと思います。
特性をアナライザーを使って調べました。7MHzは無理でしたが、10MHz、14MHzは同調点が見つかりました。18MHzはどうにか見つかりましたが、トリマーを緩めきった状態でしたので不安定でした。

調整してみると、どのバンドでも同調点を見いだすことができ、SWRもどうにか使えるところになっている。

調整は大変にクリチカル。帯域幅もとても狭い

 給電部とキャパシター部です。トロイドコアはFT37-43を使いました。巻き線は6回です。
 キャパシターは70pFのトリマーを使いました。この容量では10MHzには少し足りないようです。14MHzと18MHzで使うことにします。

10MHz、14MHz、18MHz用ワイヤーMLA 配線カバー2本つなぎ ワイヤー2m
キャパシターは70pFのトリマーを68pFのコンデンサと抱き合わせ。配線カバーの身の部分に固定。

2Band MLA 30m,17m,(20m)
15m/17m/20m/30m  4Band MLA
3.5MHz MLA
14MHz,18MHz MLA

10MHz用のキャパシターにはトリマーに40pFを抱かせるため、スライドスイッチで切り替えている。

給電部は配線カバーの身の部分に挟み込むようにカバーを被せる
Portable MLA
Wire MLA

 こんな簡単な構造なのですが、測定してみるとしっかり動作していることが分かりました。バリコンの調整はとてもクリチカルです。他の周波数帯も測定したのですが、共振点を見つけることはできませんでした。それらの周波数で使うには、コンデンサの容量やループの大きさを変える必要がありそうです。
 この実験中、たまたま聞こえてきた香川県の移動局にお声掛けすると、何回かのコールバックの後取って頂けました。私は3Wの出力でしたが、相手局は599で聞こえていました。効率については改善の余地がありそうですが、どうにか実用になりそうです。

 5D2Vの同軸ケーブル3mをループにして、その結合部にバリコンを入れます。ここは高電圧が掛かるところですので、耐圧の高いバリコンが必要になります。また電撃予防のため、人が触れにくいようケースに入れるなど保護が必要です。

 私は手元にあった、昔、真空管送信機で使っていたタイトバリコンで200pFを使いました。穴あき基板をセパレーターとして、同軸線の編祖を固定し、そこにラグ板を取り付けて、ビス留めでバリコンと接続しました。