Keying adapter

無線従事者国家試験の電気通信術の電信、モールス符号の送信に於いて、持ち込みのエレキーが使えることがわかりました。試験会場には備え付けの電鍵と、低周波発振器、それを録音する装置が設置されているようですが、その電鍵に並列につなげるようにしてエレキーが使えるようです。

アマチュア無線の交信では普段から自作のエレキーを使っていますので、これが使えるとありがたいと思いました。

しかし、これらのエレキーのキーイング回路はトランジスタやFETによる駆動になっています。最近のリグでは、どれもこれらのエレキーで送信することができるのですが、昔の真空管式送信機のように大きな電流が流れる回路をキーイングする場合などでは、このトランジスタやFETによるキーイング回路は使えません。杞憂になるかもしれませんが、どのような回路にも繋ぐことができるキーイングアダプタを作ることにしました。

回路はダーリントン接続したトランジスタでリレーを駆動する簡単なものです。エレキーからの信号でリレーを駆動し、リレーの断続で符号を送出するものです。

インターネットで調べると、試験会場でのモールス符号送信試験の機器構成は以下のもののようです。
                                 

                ヘッドホン(受験者)--
パドル(持参)-エレキー(持参)--(みのむしクリップ) 電鍵(試験会場)--低周波発信器
          --録音記録装置--試験官のヘッドホン

リレーによる駆動とすることで、ある程度の電流にも対応できますし、電流の極性を気にすることもありません。低周波発振器の断続であればチャタリングについてもあまり心配いらないと考えました。
このアダプターはエレキーの通常の出力がうまく機能しない場合の予備対応という位置づけですので、使わなくても済めばそれに越したことはありません。安心のためのお守りとして持参するようにしたいと思います。

この回路をK3NGキーヤーに組み込んだものを作ってみました。このキーヤーは出力TXを切り替えることができますので、TX1を通常のTr出力、TX2をリレー出力とする構成です。

学科と電気通信術受信の試験が終わるとその部屋で待機が指示され、順番に呼ばれて電気通信術の部屋に案内されました。入室前に顔写真との整合を確認され、部屋に入ります。
試験管の前に座ると準備する時間が与えられるので、キーヤーやパドルをセットします。ヘッドフォンからしっかり音が聞こえてくるようことを確認し、準備ができたことを報告しました。
試験管から受験番号と名前を打電することを指示され、それが終わると試験が始まります。
試験を始める前に発信原稿がどのくらいあるのか確認しておくと良いと思います。2通なのか3通なのかその分量はどの程度か。、
試験が始まると自分のペースで送信を続け、ラカを打って終了します。その間試験管からの対応はありませんでした。もしゆっくり打ちすぎて時間になってしまうと、試験管から「そこまで」という終了が告げられます。
持ち込んだ機材を撤収し、試験管に挨拶をして退出します。
本当に短い時間ですが緊張する電気通信術送信試験です。