上記のMilford Amature Radio ClubのAntenna AnlyzerはArduinoを使って手軽に製作が楽しめるので、多くの方が製作をされたようです。そして、より使いやすいものになるよう改造のアイディアがSoftwareControlledHamRadio groups.io のフォーラムで論議され、WA2FZW John Priceによって新しいスケッチが公開されました。そして、さらに多く人からのアイディアが取り入れられ、改良が進みました。現在はバージョン3.7.1になっています。
オリジナルではスキャンを1回ごとに行う必要があり、アンテナを調整する場合、さまざまなファクターを変更するので、それ毎にスキャンをする必要がありました。アップグレード版ではRepeatという機能が付き、設定した回数、自動でスキャンを繰り返します。また、一定の周波数でのSWRの状態をリアルタイムで表示する機能も付きました。
また、SWR較正の機能が付加され、より精度の高いものになっています。測定可能周波数もDDSをAD9851に変更することで、50MHz帯まで測定できるようになりました。

W8TEE / K2ZIA     Antenna Analyzer
ケースはアクリル板で作りました。下の図面はクリックで大きくなります。
Arduino DDS on PCB
エンコーダーモジュールの回路

QRPGuysからPCBのみが頒布され、そのサイトから製作マニュアルや使用方法などについての情報が得られる、Arduinoを使ったアンテナ分析器です。
製作に必要な部品などは自分で集めなければなりませんが、その分ものづくりの面白さを味わえると思います。

QRPGuysから頒布されているオリジナル基板に何ら手を加えずとも、Ver3.7.1のスケッチが使えることがわかり、入れ替えてみました。
新たな機能が加わり、より使いやすいものになりました。左の写真のように"Frequency"の機能ではリアルタイムで特定の周波数におけるSWRが表示されます。アンテナの調整にとても便利になりました。

Upgraded AA

製作が長期に中断していました。工作をしている中でLCDを割ってしまったのです。すぐに発注したのですが、2か月待っても届きません。そのため、refoundを求めるメールを出しても返事はなし。別のsellerに発注して、やっとLCDを入手しました。
組み上げると正常に動作。ケースに組み込むこともできました。

このAAを扱っているフォーラムではすでにいくつもの改良が発表されています。スケッチも新たなバージョンが公開されました。
また、ブルガリアのLZ2RRからは改造されたバージョンのPCB基板が頒布されています。

とりあえず、オリジナルのPCB基板とスケッチでAAとしてまとめ上げたのが、左の写真のものです。18650のリチウム電池2本を組み込んでいます。
これに化粧パネルを取り付けて完成としたいと思います。

TFT display side
製作途中の写真を掲載します

QRPGuysにPCB基板を発注しました。3週間たっても届かないので、問い合わせると、「ボードハウスから届くのを待っていたので遅くなった。数日前に発送した。」との返事があり、数日後に基板が届きました。
約65×87mmの大きさです。マニュアルでは赤い基板でしたが、Ver2でレイアウトは同じ緑色の基板になっていました。
この基板を挟むようにしてLCDやDDS,Arduinoなどを取り付ける構造になっています。たくさんの穴が並んでいますが、ほとんどが接続用のコネクタ使うもののようです。

サイトの説明では$50程度で部品が調達できるだろうとのことでしたが、実際に発注してみると、手持ちの部品を除いても、送料込み$65程度で賄えました。
Ver 3.7.1

ブルガリアのLZ2AAがこれを基板化して$9.99で頒布しています。部品はSMDを使う仕様で、私も基板を入手して製作しましたが、一度は正常に動作することを確認できたのですが、手を入れているうちにおかしな動作をするようになってしまいました。1mm程度の部品を老眼で扱うのは難しいようです。
基板上の部品を取り付け、テストしたものがebayで$51で頒布していました。こちらには日本では入手できなかったPCB基板に適合したスイッチも取り付けられています。DDSとArduino、LCDを取り付ければ動作させることができます。
写真で示したものは組み立て済みPCBを使ったものです。

指定した範囲の周波数でSWRをグラフ表示します。
Acrillic Case
PCB on Bottom plate and long nuts

Ver3.7.1はこれまで発表されている多くの改造に対応していて、ハード的に対処すれば、右の写真のようにメニューに”SWR Calibrate"の機能が表示されます。
スケッチを書き込むとき、ハードの状況に応じて、”My_Analyzer.h”の内容を書き換えることで対応します。
この機能を使うことでSWRの測定精度が向上しているようです。


下の2つの写真は、ハード的に何ら手を加えていないオリジナル基板にVer3.7,1を導入したもの(左)とハードにPE1PWFの改造を施したもの(右)の同じアンテナを測定したときの表示の様子です。

Arduino DDS ect side

製作マニュアル pdf
Assemble Manual

ユーザーマニュアル pdf
User Manual


これらの翻訳を掲載することについてはQRPGuysのWA4MNT Kenの承諾を得ています。

できるだけ、手持ちの部品を活用しました。エンコーダーはモジュール化されたものを使うようになっていますが、回路を調べてみると、10kの抵抗を2本付加すればよいことがわかり、手持ちのエンコーダーを細工しました。

U2の取りつけ

製作を進める上でネットからマニュアルをダウンロードして参考にさせてもらいました。十分に説明されていない部分もあり、日本語に訳しながら補足を入れたものを作りました。
この製作がUSAで行われてからだいぶ時間が経ち、状況も変わっています。アッセンブルマニュアルで書かれているスケッチについても、現在はArduino format rel 1.08がQRPGuysのサイトで公開されていて、マニュアルの記述とは扱いが異なっています。
部品を集めて製作していくのは面倒な面もありますが、それだけに、機器を組み立てていくものづくりの楽しさが十分に味わえると思います。


U2についてはマニュアルではMSA-0386は見つけるのが難しく入手困難なのでMSA-3SMを代用すると書かれていますが、e-Bayで簡単に見つかりました。しかし、その取り付けについてはどこにも説明がなく、写真もありませんでした。いろいろ調べたところ、基板に小さな丸印がついていることろの、デバイスの4本の脚のうち三角に切り取られている足を接続することがわかりました。(右の写真の右上、ピンソケットの外側、基板取付穴の下側)

QRPGuysからのPCB

使用する部品の調達方法も、QRPGuysのサイトにファイルがリンクされています。e-Bayを使って購入することができるようです。安価で入手できるのですが、届くまで時間がかかるのが難です。それでもQRPGuysに基板を発注して待っているうちに、徐々に届きました。1か月程度は待つようです。