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VK5JST's Antenna Analyzer

右の写真が部品取り付け面の様子です。回路パターンに配線するリード線は穴を通ってハンダ面に行っていますが、GNDに落とすリード線はそのままGNDにハンダ付けする仕組みです。
こうすることで最短距離でGNDと接続し浮遊容量を減らすことができるのだそうです。

アンテナをいじっていると、インピーダンスやSWRなど簡単にわかる方法が欲しくなります。最近はさまざまなアナライザーが出ていて、測定結果をグラフ表示してくれるものが増えてきました。しかし、結構高価でなかなか触手が動きませんでした。いろいろと探しているうちに見つけたのがこの機器です。
ネットで調べてみると、この機器についてさまざまな国の人たちが製作例を公表し、改良記事もたくさんありました。なによりもキットとして購入できるのが楽しみです。
この機器はオーストラリアのVK5JSTがだいぶ以前にデザインして全世界で長く使われているようです。現在はAHARS kitとしてネットを通して購入できます。ここはAdelade Hills Amatur Radio Societyというクラブが運営しているサイトのようです。
早速購入を申し込むと、約3週間ほどでどっさりとした荷物が届きました。送料を含めてAUDで$145でした。PayPalが利用できます。AUDはUSDと比べると多少安いようです。

ケースに入れて、組み上げました。
取扱説明書に書かれていた方法で較正をしましたが、まずまずのところまで追い込めていると思います。
自作のダミーロードをつけて測定してみると、どのバンドでもSWR1.0を表示しています。

電源は屋外でも使用できるよう、内臓としました。単3乾電池8本を使用するよう電池ケースがキットに含まれていましたが、これでは重量も増しますので、リチウムイオン電池を使うことにしました。14500タイプの電池を3本使っています。これなら屋外でも結構な時間使えますし、重量も軽くできます。とりあえず、ケースの中に両面接着テープを使って、電池ケースを固定し、充電の場合には取り外して行うことにします。

1.9MHzから50MHzまでのアンテナ工作に役立ちそうです。

VK5JSTさんのサイトへのリンク

使われている部品はすべてスルーホールのもので、大変に製作しやすくなっています。メイン基板と、出力コネクタ取り付け基板、フロントパネルがあり、部品は種類ごとに細かく小袋に分けられています。

製作マニュアル(和訳) pdf

VK5JST Jams Tregellasさんが新しいアナライザーキットを発表されているのを知り、さっそく申し込みました。
前回のキットは全世界で17000も製作されたようで、今回のキットは作りやすさや50MHz帯もカバーする機能面での向上、プログラムをプレインストールしたPICを使うなどバージョンアップが図られています。値段も安くなりAUD $75、送料$30で入手できました。
申し込みをしてから10日ほどで届き、荷姿は前回と同様、ケースの中にすべてが収められていました。印刷された製作マニュアルも同梱されていました。

このキットの組み立てでは、部品を取り付ける前に、メインPCBとフロントパネルをテンプレートとして使って、ケースに開ける穴の位置決めを行います。部品を取り付けた後では、位置合わせが難しくなりますので、理にかなった方法だと思います。

マニュアルが大変わかりやすく書かれているので、迷うことなく作業を進められましたが、一点、2N2222のピン接続には注意が必要でした。キットに入っていたものと、マニュアルの写真やPCBの表示が異なっています。どちらのTRが入っているかはわかりませんので、確認してからの作業をお勧めします。

この機器のコントローラーはPICAXEが使われています。VK5JSTのホームページにはいくつものバーションが公開されており、ダウンロードして自分なりの装置に作り上げることができます。
PICAXEへのプログラムの書き込みもシリアル変換のついたUSBコードを基板に差すことで容易に行うことができました。
ですから、自分で部品を集めればネットからの情報でこの機器を作り上げることも可能です。

このキットは、しっかりした説明書やうまく動作しなかったときの診断資料など公開されており、また、製作記事もたくさん見つけることができます。しかし、部品取り付け面には何の表示もなく、部品表とと説明図を見ながら組み立てていきます。初めてキットを組み立てるという人には難しい、中級者以上のキットだと思います。
また、ケースへの収納にも工夫が必要で、穴あけなどは自分で行うことになります。
校正はテスターがあれば、ある程度のところまでその精度を追い込むことができそうです。
組み立てが楽しめて、できあがれば実用としても十分その性能を発揮してくれるこの機器は、無骨な外観については一考の余地がありますが、結構気に入っています。
なお。基板だけでも頒布しています。一つずつ部品を集めることも楽しみたい方はチャレンジしてみてください。

基板がちょっと変わっています。片面は通常のパターンがあり、ハンダ面として見慣れたものですが、部品取り付け面はすべてGNDになっています。部品のリード線を差し込む穴の周りがくり抜かれていて短絡が起こらないようになっています。
また、このような構成になっているので、部品リード線をGNDに落とす場合、そのリード線はハンダ面には出さず、(穴が開いていない)、部品取り付け面のGNDにハンダ付けすることになる。

まずやらなければならないのが、部品の整理と確認です。抵抗やコンデンサの数がたいへんに多く、特に抵抗についてはチェックリストが付けられていて、キットにする段階で確認がなされているようです。
部品のリストもホームページからダウンロードできるので、それぞれの部品を確認しながら整理しておくとよいでしょう。

95W×150L×55Dほどのプラスティックケースの中にすべてが入れられていました。袋を振るとカタコトと音がします。そのためでしょうか、税関で開封検査されたというシールが貼られていました。
多少は小分けされていますが、すべての部品が一緒くたになって詰め込まれています。
印刷されたマニュアルも同梱されていましたが、ネットで公開されているものより前のバージョンのようです。(一部誤植がある)
そのマニュアルにシリアルナンバーが振られていて、私の受け取ったものは#001397となっていました。この数字の通りだとするとすでに千台以上が作られているようです。クラブの扱うキットでこの数字はとても大きいものだろうと思います。

出力コネクタはN接栓が採用されていて、その取り付け基板も、大きな穴のものが付いています。しかし、私はほとんどBNC接栓を使っており、変換アダプターを使うのは面倒ですので、取り付け基板を自作し、BNC接栓を取り付けることにしました。
できれば両面基板を使いたかったのですが、手持ちがなく、片面基板で作りました。マニュアルでもこの部分の取り付けには45W以上の熱容量の半田ごてが勧められていますが、小さなこてでは作業が難しかったです。


PCBの組み立てが前回と異なり、、ほぼ部品取りつけ面の裏側に半田付けするようになっているので、作業がスムースです。ただし、部品面がほぼグランドプレーン(GND)になっているので、GNDへの半田付けは熱が逃げてしまうので、慎重に行う必要があります。
PCBとケースの蓋の間に設置するLCDの取り付けについて、”elephant hide"を挟み込むとマニュアルに書かれていて、何を意味するのか悩んだのですが、結局は厚紙を挟み込んで固定することだとわかりました。スラングのような言葉の使い方は難しいです。

組み上げてからのセットアップの方法も、テスターと基準となるダミーロードがあればできるようになっています。

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VK5JSTのホームページに掲載されている資料を翻訳してみました(pdf)

製作マニュアル
部品リスト
診断データ
取り扱いマニュアル