なかなか時間が取れなかったのですが、やっと組み上げました。半日ほどで動作を始めました。気づいたことを書いてみます。
・3つの部分に分かれていて、ハンダ付けの個所は初代に比べてとても少ないです。マニュアルの1.05で追加された3.42の作業は3.12の作業に続けて行うとよいと思います。
・ディスプレー基板にメイン基板を組み合わせる時、うまく嵌まりませんでした。よく見てみるとLCDの裏側のベロが邪魔をしていました。少し角度を変えてうまく嵌まるようになりました。
・このキットではロストパーツでCが1本足りず、2本のCが余りました。手持ちの部品がありましたので対応できましたが、QRP Labsでは珍しいミスだと思いました。その他、分かりやすいマニュアルで特に困ったところはありませんでした。
・出力を測定すると12Vで2.6W出ていましたので、このままでもいいかなと考えております。ローパスフィルターのコイルを調整すればもう少し出力が出るようです。
・半田ごては30Wのものを使いましたが、BNCコネクタの取り付けでは熱が逃げてしまい、うまくいきませんでした。60Wのコテを使い取り付けました。
・キーイング時のクリック音がとても静かになったように感じました。
・ファームウェアのバージョンが1.07aになっていました。CATなどの機能が追加されたようです。メニューの構成も変わっています。
・LCDが初代からの青に白抜きの文字から黄緑のバックライトに変わり見やすくなったように感じます。バックライトは設定で消すことも出しました。
・消費電流がだいぶ減ったようで、小さな電池でも使えそうです。単四型のリチウム電池が入手できたので3本を直列にし、コードにスイッチを挿入して使っています。
小さな筐体の中に収容するため、QCXminiは基板を3分割して組み込んでいます。修理をするために基板の解析をしました。回路がこれまでのQCXと少し異なっています。LEDが12Vで駆動され電流制限の抵抗値が変更されています。LCD表示より若干遅れて点灯する仕組みが加えられていました。また、表示濃度調整のVRは22kΩになっています。
10ピンのコネクタでメイン基板と接続されています。この接続点が時に接続不良を起こすことがあり、故障診断をする際には要注意です。
メニューの8-11,12でGPSを使った参照周波数とシステム周波数の較正をすることができます。しかし、QCXminiではGPSに接続する端子が出ていません。回路図をよく見ると、ISPの端子に較正で使う端子が出ていることがわかります。RXDはSCKと、PPSはMISOと共用したピンを使っています。また5VとGNDの端子も出ています。ただし、RXDとPPSには1kΩの抵抗を挿入する必要があるようです。
QCXminiは高密度に組み上げているのでLCDを取り付けた状態では、この端子にGPSとのコネクタを取り付けるのは難しいです。そこで、LCDへの接続をジャンパー線で行ってLCDを横にずらしておき、傍にある端子にGPSを接続しました。
メニューの8-11を実行すると6,5.4と進むのですがそこで止まってしまします。8-12も同様でした。フォーラムを探すと
GPSキャリブレーション
これはマニュアルには”evenly”と書かれていて、とりあえず所定の回数を巻いて取り付け、あとで巻き方を出力を最適化するよう調整するとなっています。しかし、最適化(optimize)といっても具体的なところはわからず、LPFとしての性能については記載されていません。これから書くことは、私個人の見解であることをお断りしておきます。
ローパスフィルターの回路はQRPLabsのさまざまな機器に使われているものと同じです。QCXはもちろん、LPFキットとして頒布されているものを同じ定数です。しかし、QCXmini以外のものはトロイドコアを立てて使っています。今回のminiでは高さを制限するために寝かせて取り付けます。
そのため、立てて取り付ける場合にはコアが基板と接する部分の巻き線は左右に排除され隙間ができます。しかし、寝かせての取り付けでは均一に巻くことができます。
当初このことに気づかず、均一に巻いたまま仕上げていたのですが、スプリアスを測定してみると芳しくない結果になりました。そこで、写真のように巻き始めと巻き終わりの部分に隙間を開けるようにしました。
本来であれば測定器で測定しながらLPFの性能を調整するべきところなのですが、簡易的な対応として行っています。
コンパクトさの比較
QCX-miniはMTR3Bに迫る小ささ。MTRシリーズは押しボタン操作だが、QCXはエンコーダーを使うので操作性はよい。
2バンドに改造したCRK10Aは固定周波数だが、それよりも小さくなっている。
使う状況に応した使い分けができそうである。
この状態で初期設定、アライメントを行う
調整のための窓が開いている。
マニュアルRev1.05で追加された10μFの取り付け。マニュアルの順番より先に行った方がよい。10μはキットには入っていない。
Photo: QRP Labsのページから
他のQCXとほぼ同じ中身をコンパクトに収めるのはなかなか大変そうです
Rev2 PCBの変更点 2回目の頒布が始まったようです。基板の一部が変更されていました。5Vレギュレターが 78M05 (previously AMS1117) になり、大きくなったので D33,C21,C22の位置が変わっています。特にD33の取り付けスぺースが狭くなっていることに注意が必要です。私は極性は正しかったのですが、本体を内側に取り付けてしまったので、コントロールボードと干渉してしまい、写真のように無理に倒さなくてはならなくなりました。 この件については、まだマニュアルの改訂はされていませんが、ウェブサイトに記載があります。マニュアル1.05にあるステップ3.42は不要になりました。 |
輸入関係の書類とともに届きました。キットですので電子部品扱いで税金はかからなかったようです。
訳したマニュアルを印刷してみました。A4両面で冊子になるよう設定しました。製作編が83ページ、操作編が53ページ。結構な分量になります。PDFは各項目ごとにブックマークを付けましたのでそのページに行くのは便利だと思います。しかし、製作しながら見るには紙の方が使いやすいですね。
日本語pdf
製作マニュアルVer1.05
操作マニュアルVer1.07
QRPLabs
他の機種のように、コアの巻き方に隙間を開けた。同じ回路定数なら、インピーダンスを同じになるようにする必要があると考えた。(コア自体によるばらつきもあるので、一概には言えないが)
LPFの巻き方