ピコトラシリーズの回路図を見てVOXの出力箇所を探します。C33,C40あたりからとれそうです。
実体図が手元にありました。
その箇所にカウンターを接続してみると、しっかり周波数が表示されました。MX-7の場合、VOXの発振は18MHz帯ですが、しっかりoffsetされて、運用周波数を表示しています。
”QRPGUYS”はハムの世界では有名な人たちが集まっているようで、サイトの案内を見てびっくりしました。商業的にというよりも趣味の延長でやっていることのようです。
注文を受けると、毎週木曜日に発送作業をするとのことで、私の場合、約1週間ほどでキットを入手できました。
送料を安くするためでしょうか、簡単な包装で部品だけが送られてきました。マニュアルはサイトからダウンロードする仕組みです。
同じ趣味を持つ人たちが、その成果を提供してくれるのはうれしいことです。
ミズホ通信から発売されていたピコトランシーバーシリーズは、片手で持てる手軽な大きなの中に、SSBとCWの機能を搭載し、電池まで入っているという移動運用に大人気の機種でした。XtalのVXO動作ということで周波数の可変範囲が狭く、つまみの位置でだいたいの周波数がわかるものでした。
そんな機種に周波数カウンターを付けるのは蛇足のように思うのですが、技術的興味から実験してみました。
回路は公開されているものの、部品を集めたり基板を作ったり、結構、製作に手間取っていたこの周波数計にキットが出ました。
USAの”QRPGUYS”というところからプリント基板と基板上の部品、さらにはプログラム書き込み済みのPICを含んだキットが発売されました。
価格は$15で送料が$5という信じられないような値段です。早速入手して組み立ててみました。
回路的には上記のDL4YHF Wolfgangさんのものと同じです。しかし、5桁の7セグLEDを使い、コンパクトにまとめられています。製作には小一時間もかからない気軽さです。機器の組み込み用としては、部品を買い集めて作るよりよいかも知れません。
このカウンターは大変シンプルで部品数が少なく、製作が容易なだけでなく50MHz程度まで測定可能です。
千円でおつりが来る程度で製作できました
使ったカウンターはDL4YHF Wolfgangさんがホームページで公開されているPicを使った作りやすいものです。
製作の詳細はDL4YHFさんのページを見ていただくとして、ここではOffsetについて紹介したいと思います。
ピコトラシリーズは初期には7.8MHzのXtalフィルタを使っていましたが、後期になると11.2735MHzのフィルタになっています。IFをこの周波数にしていますので運用周波数に対してVOXの周波数がそれぞれのバンドごとに決められています。
カウンターではVOXからの周波数を測定しますが、それはIF周波数だけ運用周波数から離れていることになります。そのため、カウンター側で測定周波数からIF周波数分を加算するか減算して表示させる必要があります。
DL4YHFさんの周波数カウンタにもoffset機能が搭載されていますが、予めTableというところに収納された周波数分だけoffsetされるようになっています。
提供されているHexプログラムには4つのoffset周波数が登録されていますが、ピコシリーズ用の11.2735MHzは入っていません。そのため自分でこの周波数を登録する必要があります。
しかし方法は容易で、書き込みたい周波数をHz単位でDec-Hex変換し、Picの書き込みソフトなどでEEPROMに書き込むだけです。
ただし、4つ書き込まれている周波数と置き換えるようにする必要があります。
具体的には11.2735MHzは11273500Hzですからこの数字をネットなどのDec-Hex計算機を使わせてもらいHexに変換しますと「AC
05 1C」となります。このデータをEEPROMに書かれているものと置き換えます。
なお、Picにoffset周波数を書き込んだだけでは、offsetの動作はしません。周波数カウンターを製作した後、プログラムボタンを操作して設定する必要があります。
MX-7の場合には、プログラムボタンを長押ししてプログラムモードに入り、何回かボタンを押して"Table"を表示させ、ボタンを長押しすると収納されている4つの周波数が出てくるので、目的の周波数が表示されているところで長押し。すると、上の階層に戻るので、offsetで減算させるため”Sub"を選択長押しするとIFの減算設定ができました。
Special Thanks to DL4YHF
Frequency counter with a PIC and minimum hardware