Mono Band EFHW
30m Ver

 複数のバンドで使えるEFHWを考えてきましたが、1つのバンドに特化したものを作れば、相当小さく作ることができそうです。
 そこで、モノバンドEFHWを作ってみました。
 T37#6のコアを使い、100pのトリマーを組み合わせます。巻き数は1次側(リグ側)3T、2次側(EFHW側)24Tとしました。この構成でエレメントの長さを変えれば14MHz・18MHz・21MHz帯で使えます。


 カウンターポイズを使うと良いようですが、アンテナエレメントのみでも使えました。リグの筐体、キーヤーなどがカウンターポイズの働きをしているようです。
 

QRPのリグのアンテナ端子にRCAコネクタを使っていますので、直結できるようにRCAプラグをチューナーの基板に直接ハンダ付けしています。コネクタと一体化することができ、アンテナとしても小さくまとめることができました。

エレメントの長さは
142.5 / 周波数(MHz)で求められます。
例】 7.010MHzの場合、
 142.5÷7.01=20.32 (m)

T37 #6 3T:24T
トリマーは 100p

40mバージョンでは、30pFのトリマーに120pFと15pFのキャパシタを並列で入れています。

20m Dipole Ant

EFHWの実験をしていて、この周波数なら半波長でなくても狭い場所でもダイポールで伸展できるのではないかと考えました。EFHWとダイポールは全長は同じ1/2波長ですが、給電点の位置が異なります。ダイポールの場合エレメントの途中から給電するので同軸ケーブルが長くなります。それでも20mバンド程度ならどうにかなりそうです。

ダイポールの給電点に1:1の平衡バランを入れることにします。FT37 #43のトロイドコアにバイファラで13Tを巻いてバランとしています。直接同軸ケーブルが繋げるようBNCコネクタを一体化しました。エレメントは片側 5.07mです。庭先に傾斜して伸展し5mの同軸ケーブルを接続し測定しましたがSWRはほぼ1に近い値になりました。


設置場所の状況によって使い分けるものいいと思います。

トロイドコアはFT50 #43を使用

トランスフォーマー1次側のキャパシタ

EFHW用のトランスフォーマー製作例を見ると1次側に100pFほどのキャパシタを取り付けていることが多いようです。このキャパシタの役割は何なのでしょうか。
次のサイトにこのことについての考察が掲載されていました。

Dan Koellen AI6XG 
June 6,2020

20mを超える周波数帯ではキャパシタを入れた方がインピーダンス変換が平滑になるというのが理由のようです。逆に20mより低い周波数ではキャパシタを入れなくてもあまり性能に影響はなさそうです。


BNC コネクター

トランスフォーマーをコネクターに直結するときにBNCを使ってきました。コネクタの芯線側とGND側が端子として出ているものを見つけました。筐体に取り付ける際、GNDが筐体に接続しない用途に使われるもののようです。このコネクタですと熱収縮チューブで処理をする場合にも出っ張りが少なくスマートにまとめることができます。

終端給電部の高インピーダンスを変換するため、コイルとキャパシタを使った回路を挿入してきましたが、インピーダンス変換トランスフォーマーでもそこそこのSWRが得られることがわかりました。回路がシンプルになる分、小さくまとめることができます。
BNCコネクタと一体化して、ワニグチクリップを付けたものを作りました。これに半波長のエレメントを付ければとりあえず使えるアンテナとすることができます。予備のアンテナとして移動装備の中に入れておくのもよいかと思います。


49:1のトランスフォーマーはFT37 #43のコアに、1:7の巻き線を使いました。2T用の長さで折り返した線を14回巻き、折り返しの部分をコネクタのGNDに接続、2Tの一方をセンターに、14Tの一端がエレメントになります。

回路が出来上がったら、ロードとして4k7Ωの抵抗を付けて、変換ができているか確認します。コネクタ部分を含めて熱収縮チューブで覆い、固定します。エレメントへのラインには、細い順に何本かの熱収縮チューブを重ねてコネクタと一体化します。

BNCコネクタに直付け

18MHz Version

キャップ同士を直接接着

カウンターポイズを接続できるようGNDの端子を出しておく

ケースに入れることを考えてきたのですが、BNCコネクタに直接取り付けることもできるのではないかと思い立ち、試してみました。
回路は同じです。トロイドコアをコネクタのセンターピンの周りに取り付け、コイルのGNDをコネクタのGNDタブにハンダ付けしました。また、この部分からGNDの端子になるようリード線の輪を作っておきます。このコイルの上にトリマーを置き、アンテナへの線を上に出しておきます。
全体を熱収縮チューブで覆い、各部品を固定します。トリマーが真上になっているので、後から調整することも楽にできます。

18MHz Version

ジャンク箱に入っていたコアとトリマーで組み上げてみました。トロイドコアはT50#6で21T巻いてありました。GND側から3Tのところにタップがあります。
トリマーは45pでした。
これを組み上げ、4k7のロードをつけて測定してみると、18MHz、21MHz、24MHz、28MHz帯でSWR=1になる点が見つかりました。そこで、100pのコンデンサをトリマーに並列に接続すると10MHz帯でも同様な点が見つかりました。しかし、14MHzと7MHzにはこのコンデンサの値では整合しませんでした。
そこで、ショートピンで100pのコンデンサを切り替える方式にして、30m、17m、15m、12m、10mバンドのチューナーとして使うことにしました。、

 エレメントのワイヤーを実際の使用に合わせて伸展し、RCA=BNC変換プラグを介してアナライザーを接続、トリマーを調整する。
 一度調整すると、おおむね、そのままで実際の運用に支障なく使うことができた。
 トリマー部を除き、自己融着テープを巻き付けてケースの代わりとしている。

エレメントのワイヤー長は

 142.5 / 使用する周波数(MHz)で求められる(m)
RCAプラグに基板を直結。トロイドとトリマーを配置し、アンテナ線を基板に巻き付けることでテンションを逃がしている。

センターピンに被せるようにコイルを設置

半固定 マルチバンドチューナー
Prat2 17m etc
40m Ver

30mバンドのものを作りました。回路はこれまでのものと同じです。
トリマーには30pFのトリマーに47pFと15pFのコンデンサを並列に入れています。

仮配線の状態で、負荷に4k7Ωの抵抗を入れて測ってみると左の写真のようにSWRは1.2まで落とし込むことができました。

実際の使用時と同じように、14.1m程度のエレメントを伸展して、トリマーを調整してからケースを閉じます。ホットグルーを使うと、再度調整をしなくてはならない時などにも、簡単にはがせるので便利です。

14MHz Version
EFHWはエレメントの伸展状況によってSWRやインピーダンスが変わります。逆V型や逆L型、またスローパー型などさまざまな張り方がありますが、設置した場所での調整ができると便利です。しかし、事前に概ねの調整できていれば、そのままでも電波は出てくれるようです。

回路は同じですが、ケースに入れたものを作りました。
ペットボトルの注ぎ口の部分を使ったケースです。一方には注ぎ口を使いましたが、もう一方は蓋をそのまま接着しています。中に入れる回路がコンパクトですので、これでも十分収めることができます。
18MHzのものを作りました。トロイドは50#6です。巻き数は一時側は3T、二次側のアンテナエレメントを繋ぐ側は24Tとし、30pFのトリマーをつけています。7.88mのワイヤーをエレメントとして
繋げて測定すると、SWRは1.2まで下がりました。

実際に運用してみると、エレメントのみの場合、カウンターポイズの役割をリグの筐体などがしているようで、動作が不安定になることがありました。バンドごとのカウンターポイズを付けた方が安定して使うことができました。

他のバンドについても、同様に作製することができます。

 Troid  T50 #6    
 Band  1次  2次  トリマー
 7MHz
 4T  28T  200p
 10MHz  4T  28T  100p
 14MHz  3T  25T  50p
 18MHz  3T  24T  30p
 21MHz  3T  22T  30p
 28MHz  2T  18T  30p

追記
その後の実験で、トロイドの巻き数を22T:4TにしたほうがSWRが下がる場合がありました。

49:1 Transformer

製作マニュアル pdf

ボトルキャップ同士の接着に不安があり、間にボトルネックを切り取って入れていたのですが、やり方によってはキャップ同士でもある程度の接着を得られることがわかりました。そこで、よりコンパクトなモノバンドEFHWを作りました。
7.88mのワイヤーを付けて、先端をポールの先に結び、給電部はリグに直付けのスタイルで調整しました。エレメントはスリーパーのような形状になります。この状態でSWRは1.2程度に落ちていました。