関越高速を鶴ヶ島で下り、熊谷方面に向かいました。
普段は通り過ぎてしまう坂戸の町を散策することにします。
鮮やかな桃の花が目に付きました。桜にはまだ早そうですが、付近一面が濃いピンクで埋まっています。近づくと大きな寺でした。
龍護山大智寺
由緒ある寺のようでどっしりとした山門です。
屋根の瓦にもいろいろ意匠が凝らされていて鬼瓦や花の形の瓦、龍の文字の書かれた瓦などがはめ込まれています。
この門の前には文殊堂があり、札所になっているようです。
山門をくぐって本堂に近づくと、その斬新なデザインに驚かされます。アルミニュームの構造材で作られた、一見、教会を思わせるお堂です。
内部は御本尊様は普通のお寺のような造りの中にいらっしゃいますが、その上の部分にはステンドグラスがあり、荘厳な雰囲気になっています。
最初に目に入ったのは、この並木でした。濃いピンクや淡いピンクの桃の花が満開です。ちょうど大智寺駐車場の脇に植えられていました。
散策を続けると、黄色い屋根の不思議な建物が見えてきました。
聖天宮(せいてんきゅう)
中国・台湾の伝統宗教、道教のお宮でした。
このお宮は庚國典大法師という方が、ほとんどの資材を台湾から輸入し、台湾の宮大工によって15年掛けて築かれたそうです。
神様にお願いをする施設とのことですが、異文化体験と言うことで見学をさせて頂きました。
さまざまな神様が彫刻されていますが、屋根の上にもたくさんの人形が飾られています。この一つ一つはガラスで作られているそうで、鮮やかな色を保っています。また、金色の部分は金箔が貼られているそうで、雨に打たれてもくすむことなく輝いています。
道教の教えを表しているのでしょうか、至るところに絵が掲げられています。
楠の一枚板から彫り上げられた人物像や一本の石柱から掘り出した龍の透かし彫り、釘を使わずに組み上げられた螺旋状の天井など、じっくり見学すると何日もかかりそうです。
中国式のお願いのしかたやおみくじのしかたも教えて頂きました。寿金という神様に供える紙のお金や、じっくりとお願いをするときに使う長い線香なども用意されています。
ちょっとした台湾文化の体験ができました。
慈眼寺のしだれ桜
この辺では有名なところのようです。大きな駐車場が用意されていました。でも、まだ少し早かったようで、一部の枝しか花が開いていませんでした。
この桜が花開くとさぞきれいだろうと思います。ライトアップもされるようで、慈眼寺のホームページで紹介されていました。
この日も檀家の人々が集まり、お客さんを迎える準備をしていました。
慈眼寺門前のお地蔵さま。
六地蔵と真ん中に片膝を立てた石像が置かれています。そろいのワンピースを着て毛糸で編んだ赤いたすきを掛けています。地域の皆さんの信仰を集めているのでしょう。
大宮住吉神社
このお宮には立派な神楽殿がありました。大宮住吉神楽という江戸の里神楽の系統の神楽が伝承されているそうです。
この神社は源頼朝によって北武蔵十二郡の総社に指定されたという由緒を持っているとのことでした。、
大宮住吉神社のすぐ近くに、白木蓮の花がきれいなお寺がありました。
西光寺という寺で、ご住職が寺の前の畑を耕しているというのどかで雰囲気のよいお寺です。
ここにもそろいのおかけさんをした六地蔵さまがいました。
お地蔵様には「○○の供養のため」と個人の名前が書かれた札が貼ってあります。この地域では亡くなった方の追善供養のためにこのような地蔵詣でをする風習があるようです。
ミツマタ、レンギョウ、コブシ、ボケ、サクラとさまざまな木々が花を咲かせています。あいにくの曇り空で花の色がうまく撮せませんでしたが、落ち着いた寺の中でよく手入れをされた花木の花が目を楽しませてくれました。

平成21年3月中旬

坂戸町の散策