春の秩父路
急に思いついて秩父路を巡ることにしました。
朝起き抜けに出発し、高速道を走ると、たいした渋滞もなく秩父にはいることが出来ました。有料道路を出てすぐに山道にはいりました。我が国で初めて自然銅を見つけたことにより和銅という年号が出来たといういわれのある採掘場跡がありました。
当時の採掘は露天掘りだったようで、山の斜面を崩すように表土をはぎ取り鉱脈を探す採掘をしていたようです。
この辺りには銅の鉱脈が露出している箇所がいくつもあったようで、奈良時代以降にも採掘が行われていたようです。その採掘跡が山の中にあるとのことで散策しました。岩にくりぬかれたそれらしき横穴を見つけましたが、案内などもなく採掘跡かどうか確認できませんでした。
その散策の途中で見つけたのがこのシュンランです。枯れ葉の絨毯の中から顔を出す姿がとてもきれいでした。
秩父札所32番法性寺はお堂が山の斜面にあります。
蜂の巣状に穴の開いた岩のくぼみの中にお堂が造られ、たくさんの石碑がありました。
砂岩か礫岩のような堆積地層のようですが、このように蜂の巣状になっているのはなぜなのでしょうか。
法性寺の奥の院はお寺からずっと山を登ったところにあるとのことで、登ってみることにしました。
山は大きな岩盤の上に土壌がくっついているような感じで、岩盤がむき出しになっているようなところがたくさんあります。そのため、道を造るために岩盤に階段状の切り込みが入れられています。この段々と鎖のおかげで先に進むことが出来ました。
法性寺奥の院の船観音
大きな岩の上に安置されています。その岩が船の舳先のような形をしているのでこう呼ばれているのでしょう。手すりの向こうは絶壁で風に煽られると立っていることが怖く感じました。
法性寺の奥の院 大日如来
この写真からはわかりませんが、安置されているのは大きな岩のてっぺんなのです。鎖をたよりに岩肌を登ります。岩の上はちょうどお堂のような窪みになっていて、その広さは畳半畳ほどです。お参りするにも岩に掴まりながらでないと転落しそうな恐怖感がありました。
「法性寺門前の沢にミズバショウが咲いているよ」
と地元の方に教えていただいたので、行ってみました。駐車場のすぐ近くなのですが、目立たないところにありました。ちょうど見頃の咲き具合で、すがすがしい美しさを楽しみました。、
ミズバショウのすぐ脇にはザゼンソウも顔をのぞかせています。他の株はすでに葉を伸ばしていましたが、この株はちょうどザゼンソウという名前のイメージ通りの形をしていました。この地方はまだ季節がゆっくりなのでしょうか。

34番水潜寺
カタクリの花がきれいに咲いていました。晴れていると花弁が反り返って独特の形になるようです。色も濃く、健康そうな花たちでした。
カタクリのつぼみ
明日頃には開くのでしょうか。ほっそりとしたつぼみを見つけました。開いた花もきれいですが、このようなつぼみもまた風情があります。
しだれ桜で有名な清雲寺に寄ってみました。
長瀞の桜並木はまだ、花を開いていませんでした。長瀞の花見は4月に入ってからのようです。
枝垂れ桜は少し開き始めていました。2分から3分でしょうか。もう少しすると、豪華な景色になりそうです。
枝垂れ桜とレンギョウ、椿、そして水仙の競演です。
いろいろな花々が咲き、この季節のお寺はとても華やかです。まだ少し時期が早いせいか人でもまばらで、ゆっくりと見せていただきました。のんびり秩父路巡りもいいものです。

平成20年3月下旬