笠間・匠のまつり
今年も笠間芸術の森公園イベント広場で「いばらきストーンフェスティバル匠のまつり」が開催されました。
笠間というと焼き物を思い浮かべるのですが、石屋さんもたくさんあるのだそうです。
大黒石
昔の戦で山の上からこの石を転がり落とし、いくさに勝ったという言い伝えがあるそうです。道路の脇にある大きな石ですが、いかにも「転がり落ちてきた」という雰囲気があります。この石の中程に穴があり、へそ穴と言って、3つ石を投げそのうち1つでも入ったら願いが叶うとのこと。やってみましたがなかなか入らないものです。
この地域は花崗岩の一種である「稲田石」の産地なのだそうです。「石切山脈」というところがあり、盛んに石が切り出されています。残念ながら石切場の見学は出来ませんでした。
この付近には石材屋さんがいくつもあり、このように石がそこここに積み上げられています。
稲田御影石のオブジェ
中粒の黒雲母花崗岩である稲田石を使って、一つの岩から入れ子のように切り出されたものが展示されていました。石目に沿ってドリルで穴を開け、底の部分にもいくつかの穴を横から開けることで切り出しています。
石の百年館
稲田石資料館では稲田石の採掘の歴史や切り出し用具の展示、いろいろな鉱物の標本展示などがありました。
稲田石の切り出しの様子を紹介するビデオで、一般人の出入りが制限され、なかなか見ることの出来ない作業の様子を知ることが出来ます。、
石の百年館のエントランス敷石
石材としては同じ種類の均一な岩石であることが求められるようですが、実際の切り出し現場ではさまざまな岩石が入り組んでいるのだそうです。
ここでは石を割った様子を左右に開いて敷石としてあります。白く見えるのが花崗岩の貫入です。さまざまな鉱物が入り組んでいるのが見られます。
道祖神
資料館の前に置かれていました。
石で彫ると心和む造形になります。石が時間を超越したものだからだでしょうか。風雨にさらされ、苔むしてくるとさらに趣が出てきそうです。
山から切り出された石は小割りされ、それぞれの目的のものに加工されます。加工は熟練の石工の手によって手作業で行われることもあるのだそうです。重くて堅い石をを一つ一つ大きな玄翁(げんのう)とくさびだけで形作ってきた歴史があるのです。
日の入り
太陽の動きを実感としてみられるのは、このひとときでしょう。山際にかかっていた夕日は見る間に山の陰に入っていきます。最後の光が消える直前、空が赤く染まり、すばらしい景色でした。

平成19年11月上旬