武甲山に登る

平成26年11月初旬

武甲山は秩父山系の端に位置する独立峰です。
この山は1304mの標高ですが、その途中の標高550mの「一の鳥居」まで車で行き、そこから登ります。
秩父の町を過ぎると全容が見えてきました。道路はすでに上り勾配になっています。
山の北側半面は石灰石の採掘で痛々しいほどに白くなって見えています。
登山道はよく整備されていて、一の鳥居付近は舗装された歩きやすい道です。しかし、傾斜はかなりあります。ガイドブックによると、全行程”急な登り”となっています。
途中の橋も平らではなく緩やかな傾斜になっていました。
不動滝
細い流れですが木々の間を何段にもなって落ちています。上部は木々に隠れよく見えないのですが、水の流れ落ちる音が辺り一面に響いています。
不動滝を過ぎると、本格的な山道になります。
息の上がった頃、ふと道ばたを見るとまむし草が赤い実を付けていました。もう少しで葉を落とすのでしょう、柔らかな茶色に色を変えた葉を装っていました。
延々と続く上り坂に足が重くなってきた頃、足下にひっそりと咲いている花がひとときの休憩をくれました。
何という名前の花なのでしょう。フウロのような葉の形ですが、帰ってきてから図鑑を調べても同定できていません。
大杉の広場
行程の中間地点です。傾斜の緩やかになった開けたところにどぉーんと大杉がそびえていました。
付近はよく手入れをされていて林業で活用されているようですが、この木だけはずっと伐らずに残されているようです。
大杉の広場
「標高1000m、武甲山頂まで約50分、生川基点まで約50分」と記されています。一時間以上かかってここにたどり着いたのですが、後半も結構きつそうです。
登山道には標識石が置かれています。どのくらい登ってきたかの目安になり、励まされます。
これは四十六丁目の標識石です。古い石には寄贈した方の名前が刻まれていました。信仰の道として長い歴史があるようです。
五十二丁目の標識石。
山頂に近い御嶽神社の前にありました。
第一展望台はこの社の左手、第二展望台は右手の少し登ったところにあります。
神社の前は傾斜はありますが少し開けていて、雨水利用の水洗トイレが設置されていました。
第一展望台
この柵の向こうは、石灰岩の採掘のために削られ、崖になっています。とても狭い展望台ですのでゆっくり休んでいるわけにはいきません。
青空は見えているのですが、透明度がよくありませんでした。秩父の町並みが一望できます。荒川の流れや鉄道の線路を辿っていくと今日通ってきた道筋が確認できました。
眼下は石灰石の採掘場です。ちょうどカップアイスクリームを食べているように、内側が削り取られています。作業をする大型機械が豆粒のように動いています。
登りもきつかったのですが、下りの方が疲れました。振り返るとその傾斜のきつさがわかります。
山道から整備された道に出た頃には、すっと踏ん張ってきた足が悲鳴を上げ、後ろ向きに歩くことでどうにか一の鳥居までたどり着きました。
日頃の鍛錬をしておかなければならないと思い知らされました。