赤城小沼散策      平成26年9月初旬

カーナビに「赤城神社」を入力したところ、山頂近くの神社ではなく麓の神社に案内されてしまいました。そこからも山に登る道は続いているようなので、進むことにします。車のすれ違いがやっとできる山道が続きました。カーブ毎に番号が振られており、88番カーブがこの軽井沢峠でした。駐車スペースが設けられており、山への登り口になっているようです。
雲が上がってきて視界が悪くなり、心細くなってきたところでようやく道幅が広がり、小沼駐車場に到着しました。
赤城小沼は「この」と呼ぶのだそうです。長七郎山の火山活動でできた火山湖で、ほぼ円形をしており、湖畔を巡る約1kmの散策路が整備され40分ほどで巡ることができました。
あたりは既に初秋の趣があり、赤とんぼなどの飛翔も見られました。木道に留まってくれたトンボにシャッターを切りました。霧に包まれながら登ってきた時とはうって変わってさわやかな高原です。
いろいろな蝶たちも舞っていました。アザミの密を奪い合っているキアゲハとミドリヒョウモン。ここ小沼では一般的なチョウだそうです。
ススキの穂も伸び始めています。まだ十分に開いてはいないのですが、初々しさを見せながら風にそよぐ姿が綺麗でした。
アザミだと思われる花ですが、花弁が大きく開き、別の植物のような姿です。緑の草原の中にこうした鮮やかな色が見られるのが楽しいものです。
ハナイカリ
ススキなどの藪の中にひっそりと咲いていました。”距”がある花冠の形が碇に似ていることからこの名前が付けられたそうです。たしかにおもしろい形をしています。白色の花なので藪の中でもあまり目立たず、うっかりすると見逃してしまいます。
アキノキリンソウ
名の通り、この花が咲くようになると秋を感じます。
まだ大きく育ってはいない個体ですが、花をしっかり付けていました。
ヤマハハコ
細かな白い毛に包まれた姿に特徴があります。エーデルワイスもこの仲間だそうです。背も小さく、草むらの中に生えているので見逃しがちです。
ウツボグサ
筒状になった花の固まりに鮮やかな色の花が覆っています。
沼の東側はうっそうとした木立の中を進む道になっています。大きめな石が埋め込まれているのでぬかるみにはなっていませんが、でこぼこが激しく歩くのが難儀でした。
陽が当たりづらいために、植生も沼の北側や西側とは異なっています。
坪庭
切り倒された木株の跡に小さな植物が息づいています。
風雨に晒された木株が朽ちかけているのと、こけの緑が輝いて生命力に溢れているのがおもしろい対比になっています。周りには、芽生えたばかりの植物が育っており、自然の循環を見せてくれています。
こけの中に生えている小さなキノコ。
掌に乗るような小さな世界ですが、メルヘンを感じる景色です。
小沼はゆっくり歩いても1時間かからず一周できるのですが、その向きによっていろいろな景色を楽しませてくれます。
赤城山は大沼や覚満淵が有名ですが、この小沼は訪れる人も少なく静謐として自然を楽しめるところでした。
倒木の近くなどでたくさんのキノコを見つけました。
名前を調べることはできませんでしたが、その一つ一つの造形のおもしろさを堪能できました。