行田から妻沼へ    

                             平成26年8月中旬

古代蓮の里を訪ねました。
すでに盛りの時期は過ぎてしまい,花の数は多くありません。
それでも,世界各国から集められた蓮の展示コーナーではきれいな花を見ることができました。
花が開く前のつぼみにもほんのりと色が表れていてきれいです。
咲き終わり、花びらが散ってしまった後もかわいい姿を見せています。
花びらが剣のように尖った種類です。純白の色と相まって凛とした美しさです。
水辺が多くあるからでしょう、ハグロトンボを見つけました。金属光沢の身体がきれいです。
古代蓮のエリアではほとんど花は終わっていて、蓮の実がたくさん見られました。一つ一つの穴にかわいい種が入っています。よく熟すとここから転げ出てくるのでしょう。
よく売られている蓮の実甘納豆のような大きな種は見つかりません。きっと種類が違うのでしょう。
蓮の実はおもしろい造形です。売店で炭に加工してある実を見つけました。部屋の飾りとして使ってみたいと思います。
古代蓮のエリアのさらに奥に、池の状態で栽培されているところがあります。自然の中での蓮の様子を見ることができます。
はの成長過程が見られました。棒のように丸まった状態で伸びてきた葉が、徐々に開いていきます。その途中ではお椀のような形になるときがあります。水滴をたくさん溜め込んで、おもしろい形でした。
めぬまの道の駅に寄るとこの聖天山の案内がありました。
すぐ近くのようですので、行ってみることにしました。
車で数分の町中で、駐車場も整備されています。
江戸時代に幕府ではなく、地方豪族の力で建てられたお堂とのことで、「歓喜院聖天堂」として国宝に指定されているそうです。平成15年から改修が行われ、お堂の全面を覆う精緻な彫刻が極彩色とともに蘇っています。
よく、鳩の害などを防ぐために金網の覆いがかけられているお堂が多いのですが、ここは近くにオオタカが住み着いていて、鳩などの害から守ってくれているとのことでした。
拝観料七百円を払うと、ボランティアガイド「あうんの会」の方が解説をしてくれました。本殿の南、西、北の面には全面に立体的な彫刻が施され、その一つ一つについて話をきいていると時間の経つのも忘れてしまいます。
一つの木材から彫り出して幾重にも彫っていくのを「籠彫り」というのだそうです。この水煙も透けて見える内部にまで細かな彫りが施されていました。
獅子や邪鬼、鳳凰や猿など様々な生き物が彫られていますが、そのすべてが「あうん」の対になっていて口の形が異なっています。
拝殿や相の間の床を支える部分は釘を使わない組み木構造になっています。黒漆を塗られていますが、地面に近いところですので少しずつ影響を受けてきているようです。
境内には縁結びの御利益のあるという「めおとの木」がありました。
同じような大きさのケヤキとエノキが寄り添いながら大きく空に伸びています。
説明板には「絡み合い、助け合い、力強く古今を生きる神秘な縁結びのご神木です」と記されていました。
この聖天さまに入る一番外側にあるのが「貴惣門」で国指定の重要文化財になっています。江戸末期に作られたとのことで、華美を排除する情勢から彩色は施されていませんが、見事な彫刻が施されています。また、横側(南側)から見ると屋根の形が独特で、これを作った人々の意気込みが感じられます。