野の花を訪ねて

平成22年4月下旬  彩の国・小川町

 今年は寒さがなかなか去らず、花が長く楽しめます。さすがにソメイヨシノは葉桜になっていますが、八重桜はまだきれいな色を保っています。
 近くの林から突然「チョットコイ、チョットコイ」と聞こえる鳥の鳴き声が聞こえてきました。コジュケイがいるようです。図鑑ではハトぐらいの大きさのようですが、大変な音量です。残念ながら姿は見えませんでした。
 日だまりにはタンポポがもう綿毛を出しています。
やはり暖かいところでは成長が早いのでしょうか。
 たくさんのタンポポが咲いているのですが、普段見慣れているセイヨウタンポポとどこか様子が違います。どちらかというとまん丸くまとまるというよりも、平べったく楚々としている感じがします。
 花の裏側を見てみました。総苞(ソウホウ)の部分がめくれていません。長さも短く丸い感じです。セイヨウタンポポとカントウタンポポの違いはこの部分だと聞いたことがあります。どうやら、カントウタンポポの群落を見つけたようです。
 カントウタンポポは群落で生育すると言うことです。確かにたくさんの株が集まっています。こんなにたくさんのカントウタンポポがまだ残っていました。
 カントウタンポポから数十メートルのところには、セイヨウタンポポの株がありました。花の裏の総苞を見るとめくれています。また、細長く感じます。花の形も厚みがありまん丸な感じです。
 こんなに近くに種類の異なる種が生えていると、交雑することもあるのではと心配になります。
 ことによると両者の間で勢力争いが起きているのかも知れません。
 ニリンソウの群生地がありました。濃い緑の葉の真ん中から2つの花柄が伸びて、白い清楚な花を咲かせています。2つの花は同時に出てくるのではなく、一つ一つ伸びてくるようです。2つの花柄の長さが少しずつ違っています。
 この林はカタクリの群落もあり、地域の方によって保護されているようです。すでにカタクリは葉だけになっていました。斜面に広がるニリンソウの群落は見事でした。
 ニリンソウの群落の中にタケノコのようにニョッキニョッキとマムシグサが顔を出していました。茎の表面の独特の模様が不気味です。秋になれば濃いオレンジの実が見られることでしょう。
 まだ菜の花が残っています。川の水も温んできたのでしょうか。陽射しが暖かです。ツバメやハクセキレイが飛び交っていました。ウグイスや小鳥たちののさえずりが聞こえてきます。
 ニリンソウの群落の近くで見つけました。花が一輪しかありません。それに一回り大きいようです。
 調べてみるとイチリンソウのようです。
 林の中の道を歩いていると、道ばたにチゴユリが咲いていました。上からでは花は葉に隠れていますが、このアングルで写真を撮るとかわいい花が咲いているのがわかります。
 歩き回った林の遠景です。さまざまな樹木の若葉がきれいな色を見せています。この季節は林の様子がいちばんカラフルに彩られてきれいです。