お雛様を訪ねて@ 真岡・浪漫ひな飾り

平成22年2月上旬

真岡木綿
真岡は江戸時代から木綿の生産で有名です。
ここの真岡木綿会館とそれに隣接する岡部記念館「金鈴荘」にひな人形が飾られているというので、訪ねました。
木綿会館では綿花から糸を紡ぎ、布にするまでの工程が展示され、説明を聞くことができました。国産のワタと外国産のワタの違いも展示されています。我が国の木綿の歴史を学ぶことができました。
「金鈴荘」はこの地の呉服商「岡部家」の別荘であった建物を市が借り受け、文化遺産として保存しているところです。
この建物は明治初期に十余年の歳月を費やして材料を集め、職人を東京で修行させて造り上げたもので、大変に意匠が凝らされています。
玄関には、どういう由来かはわかりませんがりっぱな駕籠が置かれていました。
この建物は普段は外側からしか見学できないそうですが、3月3日まで、座敷にたくさんのひな人形が飾られています。江戸時代から現在までのさまざまな人形たちです。時代を経た部屋の雰囲気の中で、ひな人形たちの声に耳を傾けるのも楽しいものです。
ここの人形は市民からの寄贈だそうですが、どれも大変にきれいで、それぞれの家で大切にされてきたのでしょう。
江戸時代から現在までのそれぞれの時代を生きてきた様子が窺えます。人形の顔にもその時代が表れているようです。表情だけでなく衣装の柄や姿勢なども微妙に異なっています。
建物を見せていただくとおもしろい発見があります。
廊下の軒を支える木は一本の丸太が使われていました。約17m以上もある一本の木がそのまま使われています。
言い伝えでは元はもっと長い木だったので、街の中を運ぶとき、道を曲がりきれず、角の建物を壊しながら運び入れたとのことです。
窓ガラスには気泡やゆがみがあります。当時のままのガラスと現在の板ガラスが混在しています。ガラスを通した光は波を打っているので、床の光を見ると昔からのガラスが一目で見分けられます。
各部屋の床の間には紫檀や黒炭、鉄刀木などの唐木が使われていて、しっくりとした落ち着いた雰囲気です。
呉服商で成功し、県下でも1,2の多額納税者であったという岡部家の贅を凝らした設えを見ることができました。
この建物の外観はなまこ壁のような漆喰を塗った防火土蔵壁になっています。木造家屋の外壁をすべてこのような防火構造にするにはどれほどの費用がかかったのでしょう。真岡木綿の繁栄ぶりが窺えます。
木造二階建てですが、外壁はほとんど木の部分は露出していない構造で、当時としては最先端の防火構造だったようです。
周囲をこの地方で産出した禄山石の石塀で囲まれた1600平方メートルの回遊式日本庭園を歩くことができました。
ちょうど、2羽のメジロが飛んできて餌を探しているようです。写真の中に小さく写っているのですがわかりますか?
木綿会館から廊下続きで、真岡市物産会館があります。真岡の特産物などを購入することができます。木綿のコースターを手に入れました。