古き赤城村を訪ねて

平成21年7月下旬

今年も、赤城高源にブルーベリー狩りに行ってきました。
農家の人の話によると、今年は実の付きが悪く、もう収穫は終わりなのだそうです。例年なら8月ころまでブルーベリー狩りが楽しめるのですが、少し寂しい感じです。
さすがに高源の風は爽やかです。陽射しは結構強いのですが、涼やかな風が暑さを取り去ってくれます。一時間程ブルーベリーを食べながら摘み取りを楽しみました。これを冷凍にしてフレッシュな味を一年間楽しみます。ジャムづくりも楽しみです。
快中山宋玄寺
赤城村の農産物販売所からすこし走ったところに、立派なお寺がありました。山門の両脇には大きな駐車場があります。
勝保沢の十一面観音堂
宋玄寺の山門をくぐってすぐ左側に市指定重要文化財になっている銅板葦入母屋造りのお堂があります。元は別のところにあったお堂だそうですが、彩色された彫刻がみごとなお堂です。内部は見ることができませんでしたが、この観音様は出世観音として地域の方の信仰を集めているのだそうです。
宋玄寺はとても広い境内を持っているようで、水の音に誘われて境内を散策していると、すてきな景色に出会いました。石組みの間に紫陽花が咲いています。落ち着いた雰囲気で思わず写真を撮りました。
赤城歴史資料館
国指定遺跡「瀧沢石器時代遺跡」を中心にした資料や民俗資料を展示しています。
村内から出土した土器や埴輪は見応えがあります。
おもしろい展示がありました。馬の埴輪の作り方の解説です。新聞紙を芯にして粘土を巻き付け、胴体や首、脚をつなぎ合わせていくのだそうです。
この付近の遺跡では馬の蹄の跡がたくさん見つかっているそうで、古代の馬と人々の関わりがわかります。
赤城歴史資料館から車で5分程のところに瀧沢石器時代遺跡があります。このような石の表示があるだけで、遺跡自体は調査の後、埋め戻されているので草原になっています。、
遺跡の北東の隅に水がとうとうと湧き出ています。古文書にも「湧玉」(わくたま)と記されているそうで、地中から気泡が湧き上がっています。赤城山に降り注いだ雨が伏流水となりここに湧き出しています。とても冷たく透き通っていてきれいな水でした。
この遺跡は赤城山の西麓に発達した標高300mほどの舌状台地で、遠く榛名山や赤城山を望むことができます。出土した石器や土器などから旧石器、縄文時代早期から晩期、弥生時代中期から古墳時代、そして平安時代にかけての集落遺跡であることがわかっています。、
湧玉の泉の道路際に遺跡境界の石柱がありました。文化庁の指定で保護されているのだそうです。
発掘調査したときには配石遺構が発見されストーンサークルが形成されていたようです。その祭祀の中心であったであろう大きな石棒が歴史資料館に展示してありました。
気をつけていなければそこが遺跡であることすらわからないような野原ですが、古のことに思いを馳せて見ているとロマンが広がります。
ふと、足元を見るとこんなかわいい生き物が顔をのぞかせていました。何千年も昔にも同じ景色を見ていたのでしょう。